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武満徹・音楽創造への旅

武満徹・音楽創造への旅

武満徹・音楽創造への旅

作家
立花隆
出版社
文藝春秋
発売日
2016-02-20
ISBN
9784163904092
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武満徹・音楽創造への旅 / 感想・レビュー

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どんぐり

武満徹の音楽で知っているのは、琵琶を用いた音色が不穏な空気と緊張感をもたらす『切腹』の映画くらいである。そんな知識しかないまま400頁まで読み進め、さて、残り400頁をこのまま読み進めるべきかどうか迷い、結局パラパラと拾い読みをして、本を置くことにした。最初は人物本位の興味から読んでいたが、途中から音楽創造の深みにはまって読む気力を失った。約800頁、それも2段組みの文字がびっしり詰まっている。立花隆が武満にロングイタンタビューし、いろいろな資料を駆使して音楽創造に迫っているが、武満音楽に深い関心をもつ者

2016/08/09

№9

武満の下積み時代?の話がまさに抱腹絶倒。戦後の混乱の残る時代の中、金もコネも楽器すら持たず、結核という当時まだ完治の難しい病を抱えながら、わずか5、6年の歳月の中で幸運としか言いようのない知己に助けられながら、恐ろしいまでの才能を開花させる。「創造の旅路」は辿れても、なぜそんなことが出来たのかの謎はさすがに解明されてはいないけど、まあそんなことは武満自身わからないかもしれないし、月並みだが「天才」とはそういうものなのか。立花の聞きぶりがいい。居ても立っても居られずCDを購入、何十年ぶりかで武満作品を堪能。

2017/08/29

松本直哉

稀代のインタヴュアー立花隆を得て創作の秘密や交友関係を率直に明かす武満の語り口に引き込まれる。楽譜にほとんど指定を書かず楽器すら指定しないバッハを、細かく指定せずにいられない自らと引き比べて、多様な解釈の演奏にも関わらずゆるぎないバッハの音楽への自信に対する嫉妬を隠さない。バッハと異なり同時代人と共有するエクリチュールなしに孤独に自らの音を耕した武満は、しかしつねに特定の「だれか」のために音楽を書いた。個人的でありながら他者とのかかわりのなかで生まれる音楽であるゆえに、多くの演奏家から愛されたのだろう。

2016/12/21

パブロ

立花隆が書いた武満徹の評伝なんて、面白くないはずがない! 確かにとっても面白いんだよ、後半までは…。立花隆が本人やさまざまな関係者からインタビューを重ね、いかにして武満徹は稀代の作曲家になったのかを掘り下げていく、評伝の醍醐味を思う存分堪能させてくれるこの本。でも、武満徹が死ぬことによって、後半から急激に失速する。この本からは、本人からとことんまで話を聞いた上でしか書けない立花隆の限界が見い出せるのかもしれない。立花隆としては不本意だったんだろうな〜。だから20年お蔵入り。でも、面白いですよ、後半までは。

2016/10/27

Bartleby

立花隆による武満徹への膨大なインタビューをまとめた1冊。武満の音楽のファンとしてはかなり贅沢な本だった。武満は作曲もピアノも独学だと聞いていたがその詳細も分かった。技術がないかわりに彼にはよい耳と直感、意志、そしてこれこそギフト言うべきだろうが彼を音楽へと駆り立てた戦中のきっかけがあった。私の印象では妖精のような人。作曲はささくれた気分ではできないというくだりが頭から離れない。ほんとにそうだと激しく共感。楽器の練習でも不機嫌な時はしないほうがまし。

2022/11/23

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