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宇喜多の楽土

宇喜多の楽土

宇喜多の楽土

作家
木下昌輝
出版社
文藝春秋
発売日
2018-04-26
ISBN
9784163906522
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宇喜多の楽土 / 感想・レビュー

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starbro

木下昌輝は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。宇喜多シリーズ第二弾、前作の死臭が漂う雰囲気と異なり、爽やかな印象です。『宇喜多秀家はつらいよ!』といった感じでした。但し、これでは直木賞は獲れません。

2018/05/18

yoshida

「宇喜多の捨て嫁」の続編。梟雄・宇喜多直家の子である宇喜多秀家を描く。宇喜多秀家の印象と言うと、司馬遼太郎氏の「関ヶ原」等での豊家の藩屏たる矜持を持つ武将の印象が強い。本作では自領と民を守らんとする新しい宇喜多秀家像がある。母親であるお福の方が登場しないのも驚き。何より、醜悪に描かれる豊臣秀吉や、秀吉亡き後の毛利家の動き、関ヶ原の戦いの描き方に新しい解釈があり新鮮な気持ちで読めた。宇喜多秀家が八丈島に生涯流罪であったひとつの解釈が示される。歴史には様々な視点や側面があることが分かる。個人的には前作が好み。

2019/03/13

いつでも母さん

『難しき道をいく』木下作家が描く宇喜多秀家。跡継ぎは辛いなぁ。父と望んだ楽土の為に生き延びるゆえ、それを「死に損ねた。」と云う男。18年前に助けた男の息子に助けられ、結果八丈島へ配流された男の生涯。どれほど仲睦まじくとも豪姫との決別は悲しかったが、戦国ならではだろう。木下さんの描く人物はどこか哀しい。だが、そこが良い。

2018/06/08

しんごろ

父の宇喜多直家ほどの謀略の才はないが、時折、優しさを垣間見せる行動に父直家にはない才を感じる。ただ、正木左兵衛を密かに召し抱えた策は、父譲りのように感じた。とはいえ、秀家の優しさが仇となることもあり、それが関ヶ原の合戦だったのではないかと個人的に思う。宇喜多家内紛にしても優しさが仇となったのだと思う。流れに抗い信念を貫く姿は良かったし、見習いたいとも思う。そして、秀家と豪姫の夫婦愛の絆の深さに涙ぐんだ。秀家が描く楽土を見てみたかったな。

2020/04/26

nico🐬波待ち中

偉大な父と何かと比較され、戦国という激動の波に翻弄される宇喜多秀家。時流に逆らうことでしか己の信念を貫けない不器用な彼は、ただひたすらに、民が健やかに過ごせる「楽土」の建設を夢見ていた。この時代に、常に国土と民の行く末を思いやる心優しき武将がいたとは驚きだった。しかもそれがあの豪傑・宇喜多直家の息子とは…。関ヶ原で負けてもなお「生き延びる」決断を下した男の信念には驚きを隠せない。流れ着いた最果ての地で、彼は父と幼い頃に交わした約束通りの「楽土」をつくれたのだろうか。新たな男の美学を見せつけられた。

2018/05/20

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