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悪左府の女

悪左府の女

悪左府の女

作家
伊東潤
出版社
文藝春秋
発売日
2017-06-09
ISBN
9784163906607
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悪左府の女 / 感想・レビュー

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鉄之助

前々から気になっていた、箏の秘曲『啄木』。鴨長明が禁を犯して演奏、職を追われて隠棲した結果、『方丈記』を書き残す遠因となった曲だ。これを伊東潤が壮大な歴史ロマン・サスペンスに書き上げてくれた。 「名にし負う醜女」が、実は現代でいえば絶世の美女であったり、美醜の基準は心の持ちようであったり……。政争の具、道具としか扱われない、弱い人間としか思えなかった二人が、結局、一番強かったりと、実に考えさせられること、満載の力作だった。

2019/10/06

yoshida

平安時代末期。公家から武家へ政治の権限が移る時代。院政から摂関政治の復活を画策する藤原家の内紛を中心に描く。悪左府こと左大臣藤原頼長に見出だされた春澄栄子。栄子は藤原頼長の命を受け宮中に入る。骨肉相食む藤原家の争いは互いに武家を取り込む。結果として武家に力を与えることになり、公家の力は衰える。この時代の歴史は詳しくないので、新鮮な印象を持つ。何より主人公が聖人君子ではなく、人としての弱さを持ち描かれ好感が持てる。ラストで驚愕。平安末期をを藤原家の視点で描いた作品は珍しいと思う。新鮮な驚きを持つ作品だった。

2017/11/23

starbro

伊東潤は、新作中心に読んでいる作家です。著者は骨太の歴史小説のイメージが強く、平安ラブ・サスペンスの本書は著者の新境地、大変新鮮でした。平安末期の権謀術策飛び交う宮廷で逞しく生きる栄子を思わず応援してしまいました。小麦色の肌を持つスーパー・モデルが平安時代にタイム・スリップしたら、完璧な醜女と言われるんでしょうネ(笑)

2017/06/29

いつでも母さん

苦手な作品はカタカナに漢字が多いの・・そして平安もの。誰が誰だかなのだが、人物一覧に系図があって読みやすい。なにより伊東潤が巧い!第七章・盛者必衰まで読ませてくれる。そしてのエピローグで思わず「は~、こう来ましたか!」と唸りましたよ。醜女・栄子というけれど惹きつける何かがあったのだろうし、栄子だけじゃなく、多子も修子も眩しい位に逞しいや!面白く一気に読了でした。

2017/06/28

のぶ

平安の時代の小説をほとんど読んだことがないので不安だったが、大変分かりやすく書かれていて、すんなり入ることができ、面白い物語だった。藤原忠実の次男、藤原頼長と下級貴族の娘、栄子やその周辺の人物を中心とした話。この時代は血縁が大きな影響を持っていて、朝廷との関係も大切なのがよく分かったが、それも整理されていて良く理解できた。平安の雅もうまく描かれていて、終盤は迫りくる、源氏や平家の武家の台頭に滅亡へ向かう展開を迎える最後も見事で、とてもよく纏まった作品だった。

2017/08/13

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