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武曲II

武曲II

武曲II

作家
藤沢周
出版社
文藝春秋
発売日
2017-06-05
ISBN
9784163906621
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武曲II / 感想・レビュー

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hit4papa

ラッパーを目指す高校剣道部員が主役の青春小説です。前作「武曲」の後日談ですが、もう一人の主役であったアルコール依存症のコーチは脇役にまわり、受験に、恋愛に、そして剣の道にと、迷いながら前進する高校生の姿を描いています。前作の鬼気迫るとも言うべきスリリングな迫力は減衰し、ポップさが際立っているため、落差を感じます。主だった登場人物のその後は興味津々だったので、前作を読んでから本作品を手にした方が良いでしょう。冒頭、沢庵和尚を髣髴させる師匠が、アクシデントに見舞われるのですが、相変わらずいい味出してますね。

2022/06/30

いちろく

前作の続編よりも後日談的な内容。前作における著者から剣道を通じて語られるメッセージ性の強かった内容から一転、主要登場人物の一人である高校3年生の受験と剣道を中心とした成長モノに変わった印象。それでも、物語の中で剣道が不動の位置を占めている事は変わらず、武を通じた精神論へ及ぶ内容を良い意味で気軽に物語として読める点は面白かった。

2017/07/01

SOHSA

《図書館本》決して多いとは言えない剣道を題材にした小説の中でこの作品には飛び抜けた迫力、力強さがある。大会・試合での勝ち負けではなく、日々の道場での勝負はまさに常在戦場の感があり、剣道本来の意義やあるべき姿、原点を示しているように思える。描かれている登場人物の葛藤、迷い、逡巡などの心の動きこそがまさに剣道で相手と立合っているようでスリリングで楽しい。多くの武道がスポーツ化していくことが必ずしも正しいとは思っていない私にとって、スポーツではない剣道を描いた本作は興味深く面白い。

2018/07/15

Emperor

「冬の描写」において藤沢周さんの右に出る者はいませんね。少なくとも今までぼくが読んできた作家さんの中で、ですけど。細密で、質感や温度が伝わってきます。『武曲(Ⅰ)』よりもスピーディーな展開で、青春感マシマシ。ぼくは今作も好みでした。

2018/05/30

小太郎

圧倒的な前作に比べるとどうしても見劣りしてしまうのは続編の宿命なんだろうか?この作品だけであれば剣道にかける今風の高校生模様を描いた清々しい一作、というような評価になると思います。ただ前作の凄味みたいなものを期待すると拍子抜けするかもしれません。やはりこれは蛇足なのかな?

2022/07/19

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