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文字に美はありや。

文字に美はありや。

文字に美はありや。

作家
伊集院静
出版社
文藝春秋
発売日
2018-01-12
ISBN
9784163907772
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「文字に美はありや。」のおすすめレビュー

自己表現としての文字——デジタルメッセージによってわたしたちが忘れてしまったもの

『文字に美はありや。』(伊集院 静/文藝春秋)

 文字に美はありや(美しい、美しくないということがあるのか)、という問いは、伊集院静氏を歴代の名筆、名蹟をたどる旅へと駆り立てた。3年半に及ぶ旅の集大成が40話の随筆集『文字に美はありや。』(伊集院 静/文藝春秋)である。果たして著者はこの旅で出会う文字から何を感じたのか。本書は『文藝春秋』の連載に加筆したものである。

■情報伝達の記号から書へ

 話は文字成立の起源から始まる。動物の骨や石に“刻む”記号から、木簡を経て、やがて紙へと素材が変わることで“書く”文字へと変化した。書体の誕生である。現在、私たちが目にする書体、例えば卒業証書、麻雀牌、中華料理のメニューにいたるまで、そのルーツは、約1700年前の役人が書いた文字であった。この“書聖”とも称される人物の書が、手本として脈脈と受け継がれてきた理由を、その書が持つ“勢い”“たたずまい”“情緒のゆたかさ”と著者は捉えた。文字に情緒を見たのである。

■文字は人をあらわす

 本書で直筆資料とともに紹介される偉人は、皇族、貴族、戦国武将、芸術家、剣豪、…

2018/2/16

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文字に美はありや。 / 感想・レビュー

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starbro

伊集院静は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。歴史上から現代に至る著名人の書に纏わるエッセイ。私は汚文字なので、美文字が書ける人には憬れます。本書で取り上げている書は必ずしも美文字ではありませんが、夏目漱石の文字は綺麗でした。2/21に第9回日経小説大賞の授賞式・座談会で生伊集院静予定です。申込制なので、興味のある方はこちらから⇒ http://www.nikkei-events.jp/shousetsu/

2018/02/10

ロマンチッカーnao

文芸春秋に連載されたいた、書に関するエッセイ集です。どういう文字が美しいとか、書き方とかそういうものではなくて、歴史上の人物の字を眺めつつ、この人の字は、こうだからいいとか、あれこれ語る本。とても感じのいい本です。織田信長、徳川家康、豊臣秀吉、細川ガラシャや坂本龍馬に、西郷隆盛に吉田松陰に、名もなき民衆までと、多岐にわたります。しかし、みんな誤字脱字が少ない。そして、漢字をよく知っている。みんな教養あったんだな。。知識量では現代人の方が圧倒的に多いけど、教養となれば、もしかして日本人は減退しているのかも。

2018/05/18

Ryoichi Ito

雑誌「文藝春秋」に3年余に渡って連載したエッセイ集。石や木,牛骨に書いたものもあるが,殆どが筆で書かれた古今の文字を扱う。漢字の書体は篆・隷・楷・行・草の5体があるが,発生はこの順ではない。篆隷草行楷の順だという。驚くのは中国の王羲之(4世紀)が完成した行書,顔真卿(8世紀)が完成した楷書を現代の我々がそのまま使っていることだ。また,江戸時代の下級武士や農民が素晴らしい字を書いていることにも驚く。それに比して現代人の文字の下手なこと!文字の美はよくわからない。中川一政の書が美しいとはとても思えない。

2019/02/26

クサバナリスト

紹介されている『書』が、小さくて分かりずらく、カラーでかつ実物大であれば、著者の説明等がより伝わっただろうと思われる。王羲之の書体が今でも使われていることに驚きですね。本書で登場する各著名人も、それぞれ個性がしっかりと表されていますね。タイトルとは直接関係ない内容だったが、それぞれの書の考察は面白かった。

2018/02/03

fuku

図書館で借りました。が、購入します。 これは手元に置きたい。文字で思いが伝わる、人が表れる… 心身ともに鍛えねば。

2018/10/09

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