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うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

作家
先崎学
出版社
文藝春秋
発売日
2018-07-13
ISBN
9784163908939
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あらすじ

棋士生活三〇年、ある日突然襲ってきた病魔

「ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いしやがって」
藤井聡太ブームに沸く将棋界。そのウラで羽生世代の棋士が脳の病と闘っていた。
その発症から回復までを大胆に綴った心揺さぶる手記。

うつ病の頭には死のイメージが駆け巡るのだ。

うつ病の朝の辛さは筆舌に尽くしがたい。
あなたが考えている最高にどんよりした気分の十倍と思っていいだろう。
まず、ベッドから起きあがるのに最短でも十分はかかる。
ひどい時には三十分。その間、体全体が重く、だるく、頭の中は真っ暗である。
仕方がないのでソファーに横になるが、もう眠ることはできない。
ただじっと横になっているだけである。
頭の中には、人間が考える最も暗いこと、そう、死のイメージが駆け巡る。
私の場合、高い所から飛び降りるとか、電車に飛び込むなどのイメージがよく浮かんだ。
つまるところ、うつ病とは死にたがる病気であるという。
まさにその通りであった。(本文より)

「うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間」のおすすめレビュー

ほとんど前触れもなく始まった「うつ病」…すべてを取り戻すため、闘い抜いたプロ棋士の記録

『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』(先崎学/文藝春秋)

「心の病気」といわれる病は、実際には脳の病気である。一見元気そうな人がある日、突然脳梗塞や心臓病で倒れることがあるように、誰でもかかってしまう可能性があるものなのだ。

 2017年7月、藤井フィーバーで棋界が盛り上がる中、1人の人気プロ棋士が突然休場届を出し、公式戦の場から姿を消した。

 先崎学九段。羽生世代の1人として長年棋界に貢献し、またエッセイストや漫画『3月のライオン』の監修者としても活躍する才人である。

 プロ棋士にとって大切な順位戦のさなか、彼が突如として戦線離脱を強いられた理由。それが、うつ病だった。

『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』(先崎学/文藝春秋)は、その彼が発症から回復期に至るまでの顛末を、患者の立場から克明につづった手記である。

 著者のうつ病は、ほとんど何の前触れもなく始まった。不正ソフト使用疑惑事件への対応や監修漫画の映画化によって多忙を極める中、ある日目が覚めたらうつ病になっていたという具合。

 その前日はインド料理店で自分の誕生日を家族と楽しく祝…

2018/9/8

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将棋ブームの中でうつ病と戦った一人の棋士の物語『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』に反響続出

『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』(先崎学/文藝春秋)

 空前の将棋ブームの中でうつ病と戦ったプロ棋士・先崎学九段の手記『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』(文藝春秋)が、2018年7月13日(金)に発売された。“うつ病患者”の姿を赤裸々に記した本作は、読者から「胸にせまる本でした」「涙が止まらない」と大反響を集めている。

 2017年8月、日本将棋連盟のホームページには「このたび、先崎学九段(47歳)が一身上の都合により2017年9月1日~2018年3月31日まで休場することになりました」という告知が掲載された。藤井聡太四段がデビュー29連勝を成し遂げたばかりの頃、1人の棋士が“うつ病”で将棋界から姿を消していたのだ。

 先崎氏は1987年にデビューして以来、将棋界を牽引してきたプロ棋士のひとり。羽生善治棋士を筆頭に超強豪が密集した“羽生世代”の一員で、羽海野チカ氏の漫画『3月のライオン』にも監修として関わっている。本作はそんな先崎氏のうつ病発症から回復までの様子が、先崎氏自身の手によって記されている。

 同作では、盛りあがる将…

2018/8/5

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うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 / 感想・レビュー

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鉄之助

羽生善治と同い年。だが、羽生より1年早い小学五年で奨励会に入会、「早熟の天才」だった著者が、自らの「うつ病」体験を赤裸々に綴った。「がむしゃらに走ってきた」故に病につながったとも言う。うつ病は、「死にたがる病気」で、とにかく自分を責める→居場所がなくなり呼吸が浅くなる。私もその体験があった。電車が来ると飛び込もうとする、のではなく、吸い込まれそうになる。「苦しみから逃れるためでなく、脳からの信号のようなもので発作的に(自殺を)実行」。具体例が、実に迫ってきた。→ 続く  

2019/03/31

いつでも母さん

「ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いしやがって」これはうつの方でなくても思う事はある。この本は棋士・先崎九段48才のうつ病1年間の闘病日記なのだ。うつ病は一人で治そうとするのは難しい。先崎さんは、妻や仲間や後輩達の協力もあって乗り越えられたのだと思う。ご本人の記だものその思いは時として、なかなかに重い。「弱くならずに」復帰してやると心に誓うあたり、私はぐっと来た。医師であるお兄さまの的確な助言も克服するのにかなりプラスになっていたと思う。そしてなにより『将棋』が先崎さんの支えだったのだと確信に至る。

2018/08/29

混沌

【壮絶な体験をしたものにしか紡ぎ出せない強い言葉が胸を打つ】先崎学といえば、私の中では、林葉直子とともにわが心の師米長邦雄の最後の内弟子であり、マルチな才能を持つやんちゃ小僧である。本屋で平積みを見た時、興味を持って手に取った。え?先崎学?ははーん、誰か知り合いの棋士のことを書いたんだなと思い、中を見る。まさかであった。あの先崎学がうつ病になったのか?あんな面白い人が?私やクミゴンの職場では、うつ病で仕事に来られなくなる人がけっこういる。正直、単なるサボりではないかと思っていた。本物のうつ病とはそ

2018/08/20

おしゃべりメガネ

うつ病関連の書籍を何冊か読みましたが、下手なドクターが書いた内容なんか、全然比べモノにならないくらい、スッキリ?ハマる内容でした。とにかく筆者の実体験に基づいているので、共感するトコがたくさんあり、どんどん頁をめくってしまいました。読み進めていても、ココロを痛めるコトなく、「わかるなぁ〜」「そうそう!」となり、不思議と妙なスッキリ感を得られました。改めて、ここまでリアルに'うつ'をとらえた書籍もなかなかないんじゃないかなと。読むことで、マイナスなキモチではなく、どこか前向きになれるステキな内容でした。

2018/09/08

R

将棋棋士の先崎先生がうつ病にかかり、それを乗り越えていく一年間を綴った本でした。あの先崎先生が7手詰めの詰め将棋が解けなかったという記述が最も衝撃的だったのですけども、うつ病は脳の病気であるということを自身の経験と、判断力、思考方法から紐解いていくというのが、地頭のよさを伺う内容で興味深かった。回復の過程の生々しさも勉強になるけども、脳の回路が少しずつ復旧してくるということを将棋を通して理解というべきか、掴んでいくというのが先生らしくてよかった。うつ病は治るんだとも知ることができる一冊。

2018/11/20

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