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穴あきエフの初恋祭り

穴あきエフの初恋祭り

穴あきエフの初恋祭り

作家
多和田葉子
出版社
文藝春秋
発売日
2018-10-18
ISBN
9784163909172
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あらすじ

頭上を無数の門が過ぎてゆく。人生の門か。人生という言葉ほど自分に似合わない言葉はないとIは思った。もし人生の運転手を雇うことができたら、楽になりそうな気がする。自分で運転しようとするから脱線するのだ。運転手、つまり主体は、状況を見極め、決断し、ハンドルを切る自分であってはいけない。

近づいたかと思えば遠ざかる。
遠ざかったと思ったら近づきたくなる。
お届けもの、スカイプ、携帯電話、スマホ時代の手紙。
人と人とのコミュニケーションが触れ合うようで触れ合わない瞬間、
触れ合わないようで触れ合う瞬間を言語派の作家がつむぐ7つの短編。

穴あきエフの初恋祭り / 感想・レビュー

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KAZOO

私の好きな作家さんの一人で最近の短編作品集です。短編とは言いながらも本当に文学の世界を堪能させてくれます。「鼻の虫」などは芥川の「鼻」を連想してしまいました。非常に言葉をうまく使っている感じがいつもします。短編でありながら本当に物語を堪能したという気になります。

2019/03/03

nico

言葉遊びと独特のリズムのある文章にニヤリとなる短編集。特に『文通』『おと・どけ・もの』が好き。「背伸びしすぎて、前につんのめって倒れそうになる手紙」「ありもしない三つ目の頬を打たれた気分」等々、多和田さん特有の表現に笑った。気になったのは「世の中ではどんどん単語が死んでいく」のくだり。「死語」と呼ばれるように、時代の変化とともに遣われる言葉の変化も激しい。多和田さんのように海外在住の人にとって「喪われた日本語」はよりショックなことなのだろう。言葉の変化は自然の成り行きのように思っていた私もショックだった。

2018/12/12

どんぐり

雑誌『文藝』に掲載された短編8篇(初出が2009年~2018年)。なかには自分が老いて呆けたのかと思うほどに、読者を置いてきぼりにさせる作品もあるけれど、この作家の言葉の回路に入り込むことができると、思ってもみない世界に連れて行ってくれる。「胡蝶、カリフォルニア」は、中央線沿線の言葉遊びに揺られて新宿駅で電車から押し出されてしまう文章が面白い。「鼻の虫」も好きな作品だ。多和田さんの言葉遊びは、いつも愛読者たちをしびれさせ魅惑する。この言葉遊びがなくなると、いったいどんな作品が生まれるのだろう?

2019/02/01

野のこ

多和田さん、いつもよく分からないけど文章から伝わる空気感が好きです。これは短編集で割と読みやすかった。言葉のイントネーションが面白かったり、今回も言葉遊びしてる。読んでてふとこの世界が現実が空想か不安になりました。自分の知らないままに日々の日常が動いてるような。取り残されたような穴がぽっかり空いた気持ち。ちょっとドキっとした。『自分が雨に、どんなものを贈与できるか。。』… 私も考えたけどわからなかったです。

2018/12/03

14番目の月

だいたいこの題名から大好物の予感。 多和田さんらしい短編集。 特に「鼻の虫」良かったです。

2019/01/19

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