KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

遠きにありて

遠きにありて

遠きにありて

作家
西川美和
出版社
文藝春秋
発売日
2018-12-13
ISBN
9784163909486
amazonで購入する Kindle版を購入する

「遠きにありて」のおすすめレビュー

「ホームランを打てなくても生き方はある」スポーツから学ぶ人生の歩き方。カープファンの心を掴んだ傑作エッセイも収録

『遠きにありて』(西川美和/文藝春秋)

 エッセイは著者の感性や心情、価値観がダイレクトに込められている読み物だ。そんな数あるエッセイ本の中でも他の作品と一線を画しているのが、『遠きにありて』(西川美和/文藝春秋)だ。

 本作は、映画監督や小説家として活躍中の西川美和氏が雑誌『Number』(文藝春秋)に連載していたエッセイをまとめたもの。スポーツ観戦が唯一の趣味だという西川氏は、スポーツに励むアスリートたちの姿に人の生き様を重ね合わせた。

 西川氏は、日本アカデミー賞で優秀監督賞を受賞した経験もある超実力派。そんな彼女は2015年から2018年にわたる3年間、どんな想いを抱きながら日々を過ごし、映画と向き合い続けてきたのだろうか。本稿ではいくつかのエッセイを取り上げ、彼女の価値観や魅力をお伝えしていきたい。西川氏の想いを知れば、彼女の作品をより楽しむこともできるはずだ。

■スポーツの中に人生を観る  エッセイは何をテーマにするかが最大のカギとなるが、西川氏の場合は唯一の趣味だというスポーツ観戦の経験を活かし、スポーツと人生を重ね合わせている。中でも注…

2019/2/26

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

遠きにありて / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

Numberに掲載していたエッセイ。楽しく面白く読んだ。ベンチウォーマーだった自分が今の映画監督という職業選択に通じている気がするというある日から、女子サッカーW杯の宮間キャプテンを綴った日があってちょっと胸を熱くする。どの日のスポーツを切り取っても面白いが、何よりカープ愛が凄い。勝ち続ける日々の不安やホークスにヒールに回ってもらいたい希望まであった。西武・工藤公康が好きだったことも。西川さんの赤い血はお父様から受け継いだカープ愛のDNAだったのですね。広島生れじゃけんのう!

2019/01/08

アキ

Numberの雑誌に連載していた2015~2018年のコラム集。著者自身、中学時代からの愛読誌だったらしい。広島生まれ、子どもの頃からのカープファン。2016年9月16日広島カープ優勝特集号。「どうして広島東洋カープはこんなにも人生そっくりなんだろう」での25年ぶりの優勝と、「限りなき挑戦」でキヌガサ・サチオ役の映画の試写会で生前のご本人との対面がやっぱり印象的。彼女の映画はまだ見てないので見てみたい。

2019/04/06

竹園和明

西川美和がスポーツ雑誌Numberの執筆者になっていたとは知らなかった!。ご自身は小学生時代にバレーボール、中高生時代はバスケットをやられていたと。ただ、一度もレギュラーになった経験はないのだそう。しかしその補欠の位置から見ていた眼力と感性でこの一冊が面白く仕上がったものと思う。なでしこジャパンの負け試合をしかと見届けた話や稀勢の里の考察など、やはり視点、見方が西川美和!。広島カープを語る時の真っ直ぐな熱さは微笑ましいけどね。これを読んだら誰もが彼女のファンになるだろな。また次の映画と小説が楽しみです。

2018/12/16

ぐうぐう

書くことから始める。映画監督において、書くことから始める人がどれほどいるのかは知らない。撮りたい場所があるから、演出したい役者がいるから、そんな動機のほうが多いような気もする。けれど、他の監督はともかく、西川美和は書くことから始めるのだ。なぜなら、彼女はオリジナルの脚本にこだわる監督なのだから。ゆえに、映画の産物として小説が生まれるのも、ひとつの必然ではある。エッセイも、まあ、映画から零れ落ちるものではあるだろう。ところが、彼女のこの新刊には「おっと!」と思わせられた。(つづく)

2018/12/27

コンチャン

著者のスポーツに対する愛情、スポーツをする人たちへの敬意をひしひしと感じるエッセイです。何より、カープに対する考察がかなり的を得ているというか、同じくカープを長い間見てきた者の気持ちをしっかりと代弁しているという点においても、満足できる内容でした。

2019/05/07

感想・レビューをもっと見る