読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

作家
大島真寿美
出版社
文藝春秋
発売日
2019-03-11
ISBN
9784163909875
amazonで購入する Kindle版を購入する

「【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」のおすすめレビュー

『渦』祝・直木賞受賞! 現実と虚像を溶けあわせながら生きた、比類の「浄瑠璃作家」の生涯とは?

『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美/文藝春秋)

 人形浄瑠璃の作家・近松半二の生涯を描いた、直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美/文藝春秋)。浄瑠璃のことはよく知らないし、時代小説も苦手だし、自分からは遠い作品なんじゃないかと感じている人は多いかもしれない。だが、私もそうだったからこそ、読み終えた今、そんなことは絶対ないからぜひ読んでほしいと断言できる。自分の手で何かを生み出したいと思っている人はもちろんのこと、自分には何もない、自分は何何者にもなれないと思い込んでいる人にも、きっと響くものがあるはずだから。

 将来を嘱望される賢い子供ながら、人形浄瑠璃以外に興味がなく、芝居小屋にばかり入り浸っていた半二。近松門左衛門にもらったという硯を「お前はいずれ浄瑠璃を書くはず」という予言とともに託されたのが物語、いや、彼の人生の始まりだ。だが、道頓堀の竹本座で世話になりながら、自称・近松門左衛門の弟子としてすっかり「書ける」気になっているものの、師匠でもある人形遣い・吉田文三郎にはことごとくボツをくらう日々。幼なじみの並木正三が、…

2019/8/10

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」の関連記事

第161回芥川賞は今村夏子の『むらさきのスカートの女』に、注目の直木賞は大島真寿美の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』に決定!

 第161回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は7月17日(水)、東京・築地の新喜楽で開かれ、「芥川龍之介賞」は今村夏子の『むらさきのスカートの女』に、「直木三十五賞」は大島真寿美の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』に決定した。

【第161回芥川賞受賞作品】

『むらさきのスカートの女』(今村夏子/朝日新聞出版)

【あらすじ】 近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった著者による新作中篇。

【プロフィール】 今村夏子(いまむら なつこ)●1980年広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に三島由紀夫賞受賞。2017年『あひる』で河合隼雄物語賞、『星の子』で野間文芸新人賞を受賞。

【第161回直木賞受賞作品】

『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美/文藝春秋)

【あら…

2019/7/17

全文を読む

関連記事をもっと見る

【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

明和期の大坂道頓堀を舞台に、浄瑠璃作者の近松半二の生涯を描く。人形がそれまでの一人遣いの人形から、現在のような三人遣いに変わりつつあったまさにその頃。登場人物の吉田文三郎がその発案者であるとされている。タイトルの「渦」は、ややわかりにくいが、それは作者や創作のあり方が現代とは大きく違っているから。浄瑠璃の創作は、近松門左衛門はそうではなかったが、竹田出雲(初代)の頃からは合作が通例であった。また、著作権という考え方はなく、当たれば当然他の劇場(浄瑠璃、歌舞伎を問わず)が、即座にそれを取り入れるのである。⇒

2020/09/08

鉄之助

私も「混然となった渦」の中に、引きずり込まれたような気になってしまった。「どろどろの渦の心地よさ」が癖になってしまいそう。「渦」は道頓堀の渦だが、浄瑠璃も歌舞伎も狂言も神楽も入り混じっている。あの世もこの世も、表も裏も、虚も実も…混然となって「この世の凄まじさ」を浄瑠璃の詞章にしていった近松半二(実在の人物)。人形浄瑠璃は、「見ようによっては生身の人間より人間らしい。いや、生身の人間からでは見えぬものまで見えてしまう」という。生で文楽を、見てみたい! 心からそう思った。

2020/04/19

starbro

大島 真寿美、3作目です。直木賞候補になってから、図書館に予約したため、ようやく読めました。(候補作5/6)文楽(操浄瑠璃)は超素人ですが、浄瑠璃に魅入られた浄瑠璃作家、近松 半二の生涯が活き活きと描かれており、直木賞受賞も納得です。渦とはWAVEに近いかも知れません。 https://books.bunshun.jp/sp/uzu https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/2019/bunraku_5.html 何時か文楽の舞台を観てみたいなぁ。

2019/08/26

ウッディ

人形浄瑠璃を愛し、名作「妹背山婦女庭訓」を生み出した作家、近松半二の生涯を描いた直木賞受賞作。父に連れられて行かれた道頓堀竹本座で浄瑠璃の面白さを知り、作家部屋に入り浸り放蕩息子と言われながらも、作家として名をなす。歌舞伎に人気を奪われ、落ち目の浄瑠璃を半二は妹背山で復活させる。馴染みのない浄瑠璃の世界ではあったが、一本の名作が生み出される背景やプロセスは、説得力があり、読みやすかった。そしてこの作品が巻き起こした渦など読み応えもありました。機会があれば人形浄瑠璃を観たいと思わせるほどには面白かったです。

2019/10/25

trazom

個人的な意見だが、私は、かねがね、昨今の文楽の停滞の原因は、近松門左衛門への過度の偏重にあると思っている。「文学」としての近松門左衛門の文章の美しさは認めるが、三業の総合芸術としての人形浄瑠璃を考える時、その頂点は、竹田出雲、三好松洛、並木千柳、そして、近松半二たちの時代にあったと信じるからである。そんな近松半二にスポットライトを当ててくれた貴重な作品として、とても嬉しい気持ちで読んだ。小説としては少し冗長だが、それでも、歌舞伎と文楽の本質的な違いを鋭く指摘した部分など、この作者の鑑識眼の確かさを感じる。

2019/04/14

感想・レビューをもっと見る