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Xと云う患者 龍之介幻想

Xと云う患者 龍之介幻想

Xと云う患者 龍之介幻想

作家
David Peace
デイヴィッド・ピース
黒原 敏行
出版社
文藝春秋
発売日
2019-03-22
ISBN
9784163910017
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Xと云う患者 龍之介幻想 / 感想・レビュー

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ケイ

日本在住のイギリス作家が英語で書いた作品。芥川龍之介の人生が、彼の作品を組み入れながら幻想的に描かれている。龍之介とキリスト教のかかわりに繰り返し触れる。蜘蛛の糸につかまるのは、龍之介であり、その紐を切ってしまうのも龍之介。それを泣きながらみるキリスト。幻想的な狂気への指南役が漱石という解釈、作者独自の谷崎や川端との交流のさせ方などが印象的。そして、知ってはいるものの、その終わり方に胸が痛い。芥川作品にあまり親しんでいないが人が読むと、もっと素直に入りこめるか、それとも分かりにくいのだろうか。

2019/05/02

らぱん

怪作。12の連作短編によって創出された「芥川龍之介」の狂気は息苦しくなるような濃密さと緊張感があり、読了までに結構な時間とエネルギーが必要だった。入れ子状態などの構成で、リミックス的に芥川の作品とその文体が短編に侵入して、現実と幻想の境界が曖昧になり、徐々に壊れ、追い詰められていく芥川が執拗に描かれている。「Xと云う患者」の意味の原題"Patient X"を終盤では"X"を"cross"と読ませ受難者の十字架とする。その後、史実通り彼は自死する。芥川は贖罪者か。あるいは救済されなかったというのか。↓

2019/11/06

燃えつきた棒

この物語を手に取ったのは、芥川がなぜ死を選んだのか知りたかったからだ。 だが、読み終わっても、それは依然として謎のままだ。 作者は、芥川の数多の作品を取り込んで、彼自身の芥川を創造している。 その様は、まるで芥川に取り憑かれているかのようだ。 同じく芥川に強く惹かれるものを感じる僕としては、この人の他の作品も読んでみたくなる。 『世の中をうしとやさしと思えども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば』(山上憶良、万葉集巻五) 芥川は、つげ義春が描く鳥師(『無能の人』第3話)のように翼を広げて飛び立ったのだろうか?

2019/05/22

あさうみ

不思議な感覚になる本だった…芥川龍之介の作品に手を加え、新たな読了感を与えている。自分は教科書的な「羅生門」「蜘蛛の糸」などポピュラーな章しか読んだことがない…。彼の作品を読んでいる読者ほど楽しめる本に違いない。ルビやフォントなど細かな仕掛けを感じる。外国作家が書き、さらに和訳で整える仕事に敬服。

2019/04/27

かわうそ

芥川龍之介の作品をコラージュした世界の中を龍之介本人が彷徨する幻想小説。それをさらに日本語に翻訳するのだから訳者においては大変なご苦労があったことと思われます。芥川作品はメジャーな数篇しか読んでいない私でも非常に面白く読めたのですが、もっと元ネタを読み込んでからいつか再読してみたいと思います。

2019/05/09

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