KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

おまえの罪を自白しろ

おまえの罪を自白しろ

おまえの罪を自白しろ

作家
真保裕一
出版社
文藝春秋
発売日
2019-04-12
ISBN
9784163910048
amazonで購入する

「おまえの罪を自白しろ」のおすすめレビュー

政治的駆け引きに圧力に…もし、誘拐犯が政治家に罪の自白を要求してきたら?

『おまえの罪を自白しろ』(真保裕一/文藝春秋)

「うそつきは政治家のはじまり」。そう言われても仕方のないほどに、政治家の多くは、平気でうそをつき、その責任をとることはないまま詭弁を弄している。そんな政治家のずる賢い姿と、前代未聞の誘拐事件を描き出したサスペンス小説が誕生した。

 真保裕一氏の『おまえの罪を自白しろ』(文藝春秋)だ。真保氏といえば、『ホワイトアウト』『灰色の北壁』などの著作で知られ、「誘拐もの」としては、『誘拐の果実』などの傑作を執筆している。だが、この最新作は真保氏のどの傑作をも凌駕する面白さがある。中でもこの作品の一番の驚きは、誘拐実行犯からの要求内容。普通ならば、「身代金」を要求するところを、犯人は「政治家としての罪を自白」することを要求してくるのだ。

 誘拐されたのは、衆議院当選6回の代議士・宇田清治郎の3歳の孫娘。清治郎は総理の「友人」に利権を提供した疑惑を糾弾されながらも、懸命に総理を守り続けてきた。疑惑が取り沙汰される中での事件に、清治郎は頭を抱える。

「記者会見を開いて、おまえの罪を自白しろ。今まで政治家として犯してきた…

2019/5/12

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

おまえの罪を自白しろ / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

真保 裕一は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、政治家(屋)一家誘拐タイムミステリでした。最後は少し残念な内容ですが、著者久々のスマッシュヒットでした。不謹慎ですが、模倣犯は現れないでしょうか?

2019/05/08

いつでも母さん

久しぶりの真保さん。プロローグから誘拐された代議士の3歳の孫の安否が気になって・・犯人の要求にどう応えるのかなかなか面白かったです。政治家の駆け引きには誰かを想像したりして・・動機がちょっと無理筋な気はしたものの、政治家一家の次男坊の逞しさに天晴れとしておきましょう。孫が無事だったのは良かった。それにしても次男坊の活躍で警察の地道な努力も霞むわぁ。

2019/05/16

ウッディ

衆議院議員の宇田清治郎の3歳の孫娘、柚葉が誘拐された。犯人からの要求は「おまえの罪を自白しろ!」記者会見で、清治郎は何を語り、柚葉を救うことができたのか?政治家としての生き残りをかけた官邸との駆け引きは面白く、森友・加計問題を彷彿とさせる忖度、政治家一家の苦悩や野心、次男晄司の成長など読み応えがあった。けど、こう言う漠然とした要求は困るよなぁ〜。政治家じゃなくても誰にもある罪の一つや二つ、要らんことまで言ってしまって墓穴を掘りそうで怖い怖い。人間の苦悩が描かれていて、緊迫感もあって、面白かったです。

2019/10/27

ナイスネイチャ

図書館本。汚職政治家の孫を誘拐し、暴露しなければ孫の命を奪うと脅迫する犯人。その葛藤に揺れる政治家家族。最後は無理矢理感あったが臨場感あり楽しめました。

2019/07/31

のぶ

真保さんの本はここ数年、個人的に満足できず、しばらく離れていたのだが、久しぶりに読んでまずまず面白かった。衆議院議員の宇田清治郎の孫娘が誘拐された。犯人の要求は身代金ではなく、「自分の犯した罪を告白しろ」と言うもの。宇田清治郎には総理の友人に便宜を払うために、関係機関に圧力をかけたのではないかという疑惑を持たれていた。この種の誘拐物には「犯人に告ぐ」のような劇場型犯罪の作品があるが、内容は違うが同じジャンルに入れて良いと思う。事件が解決し明らかになった真相にはやや不満があるが、楽しめる一冊だと思う。

2019/05/06

感想・レビューをもっと見る