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人類最年長

人類最年長

人類最年長

作家
島田雅彦
出版社
文藝春秋
発売日
2019-04-12
ISBN
9784163910062
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人類最年長 / 感想・レビュー

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starbro

島田雅彦は、デビュー以来30年以上に渡って読んでいる作家です。本書は、近代現代歴史超長寿ファンタジジーでした。いずれにしても一人だけ超長寿なのは辛いと思われます。神武天皇超え(127歳)は、現れるのでしょうか?

2019/04/22

ケンイチミズバ

潔い死に方ってなんだろう。役割を終えたら死んで尚かつその体まで自然の役に立てようとする生物もいる。先に逝くのも寂しい、独り残されるのも寂しい。戦争も震災も自分が痛い目に遭ったわけじゃないから、みんな忘れてしまう。その結果、人は同じ過ちを繰り返す。それが過ちだという自覚もないままに。安政から生きている彼は歴史を後世に語り継ぐ高い意識があったものの、長生きし過ぎてというか死ねなくてどうでもよくなる。大切な人たちが皆自分を置いて逝ってしまう。関東大震災で虐殺される寸前の朝鮮人の子供を助けたくだりが心に刺さった。

2019/05/07

佐島楓

人というよりも、歴史をお書きになりたかったのだろうなという印象を受けた。その歴史も、駆け足すぎてちょっと物足りない。この題材ならもっと大河的な作品を書けたはず。円環としての歴史という意味なら理解できたし、面白くなかったわけではないのだが、ハードルを上げたくなってしまうファン心理。

2019/04/25

アキ

「人生とは記憶の蓄積のことに他ならない。記憶が失われてゆけば、人生も儚く消える」人類最年長159歳の語る明治から平成の記憶。歴史好きにはたまらなく面白い。その時代に生きた人の記憶は、歴史書では得られない生々しさで当時の日本の空気感、世相、暮らしを知れる鏡の様。関東大震災での経験が面白い。東京は何度壊滅してもしぶとく再生する。また東京オリンピックで過去と切断されたことを強く感じる。でもどれだけ長寿になっても、記憶って幼い頃のものが一番美しく鮮明ですよね。

2019/04/28

maxa

苦手な割に歴史の授業脱線のようで面白かった。歴史部分は全く頭に入ってこなかったけれど(笑)。1861年江戸時代に生まれ、現在159歳の男性が辿ってきた歴史と生活についての話。子供の頃の大名行列、江戸から東京(トーケイ)に呼び名が変わったこと、文明開花の牛鍋屋、初めて鉄道が開通した話、戦争、関東大震災、時代を反映する仕事、何をしたら儲かったかなど…。年齢に合う戸籍を手に入れ歴代女たちに惚れ込んだ話を交えながら語られていく。でも長生きすればするほど人の死も経験するのが辛いね。一人の男の目を通した生きた歴史書。

2023/08/04

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