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東京、はじまる

東京、はじまる

東京、はじまる

作家
門井慶喜
出版社
文藝春秋
発売日
2020-02-24
ISBN
9784163911717
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東京、はじまる / 感想・レビュー

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鉄之助

日本銀行本店・東京駅などを設計した辰野金吾の生き方が鮮烈に描かれる。空虚だった江戸の街並みから、レンガの東京へ…まさに『東京、はじまる』。「東京の土は、東北の木で固められた」という表現にハッとさせられた。東京駅は元々浜辺のような軟弱地盤だった。そこに、東北から切り出した丸太を1万本、くい打ちして固められていた。NHK大河の渋沢栄一もそうだが、近代日本を創った偉人たちの物語を、もっともっと読みたくなった。

2022/06/27

starbro

門井 慶喜は、新作中心に読んでいる作家です。明治政府の都市計画的な話かと思いきや、建築家 辰野 金吾東京建築物語でした。 http://www.ysd-kk.co.jp/kingo.html 100年前の感染症スペイン風邪で死去した辰野 金吾の物語をコロナ禍の今読んだのは、何かの縁かも知れません。また辰野 金吾の建築した建物と仕事で少なからず縁があります。 https://books.bunshun.jp/articles/-/5347

2020/06/10

ろくせい@やまもとかねよし

日銀本店や東京駅などを建築した辰野金吾さんの生涯を綴る。強い信念、快活な実行力、庶民的感覚をもつ辰野さんを見事に描写。封建的な江戸から民主的政治を目指す明治、それを定着させようとした大正・昭和の背景で、国家理念が慣習から功利に変遷する様子は、日本が戦争へ向かう社会変化も想起させる。成すべきことだと執念を燃やす辰野さんの利己的ふるまい。しかし、背後にある利他的大志が、その理不尽さも凌ぎ、むしろ清々しさを与える。そんな仕事も一瞬の出来事。どんな仕事も常に過去を紡いでいるに過ぎないとの表現には大きな感動と共感。

2020/12/01

旅するランナー

「家康、江戸を建てる」を書いた門井慶喜が江戸を終わらせ、東京を建築する。日本銀行・東京駅の建設を中心に辰野金吾の疾風怒濤の生涯を描く。結構ぶつぶつと小言が多い負けず嫌いな人物です。加えて建築設計創成期の人々の繋がりも丁寧に描かれ、今も残る建造物への興味をふつふつと沸き立たせます。そんな金吾がスペイン風邪で亡くなるのも今との繋がりを感じさせます。

2020/07/21

散文の詞

辰野金吾という建築家の破天荒な人生を描いてます。 長編で読み応えが有り、面白いです。 辰野金吾という人物にスポットを当てたかったのでしょうから、具体的なデザインの技術に関しては、あまり触れられないのが残念です。 日本銀行や東京駅なんかを作ったなんて、ある意味変わり者でもないとできないかも。そう思いました。 あと、伊藤博文が出てきてちょっとだけ嬉しくなりました。

2020/07/02

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