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江戸の夢びらき

江戸の夢びらき

江戸の夢びらき

作家
松井今朝子
出版社
文藝春秋
発売日
2020-04-24
ISBN
9784163911960
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江戸の夢びらき / 感想・レビュー

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初美マリン

初代市川團十郎と二代目團十郎を妻であり母の目を通して描かれている。作品の中に江戸の歌舞伎の舞台が目に浮かぶ。いよー成田屋!

2021/02/22

Willie the Wildcat

天災や幕府規制、そして江島生島事件など、栄枯盛衰を踏まえた文化醸成。舞台裏の泥臭い人間模様と、表舞台を支える民衆の心。印象的な場面は、京都での藤十郎との神経戦と、その京都で俳号を授けてくれた師・其角との江戸での再会の場面。前者は、両者の対照性を踏まえた團十郎の気づきとなり、(種類は異なれど)二代目の「荒事」葛藤にも繋がる感。後者は、”事件”を通した物事の表裏を痛感したことが、その後の舞台に深みを齎した感。ハイライトはやはり、二代目初演の『万民大福帳』。恵以の涙、心に沁みるなぁ。

2020/10/18

なゆ

初代・市川團十郎。江戸かぶきの成田屋のはじまり、なるほど〜な面白さ!もうすぐ海老蔵さんが十三代目團十郎を襲名、と思うとすごいことだなあと。真っ赤になって産まれたから“海老蔵”と名付けられた少年が、やがてかぶきの舞台に立つことになり、初舞台で大暴れしたのが大当たり。段十郎、團十郎と名前もかわり、江戸随市川の團十郎として押しも押されもせぬ人気役者に。大地震や富士山の噴火などもあった頃。二代目となる九蔵の、跡取りならではの苦悩も、今の歌舞伎の代名詞とも言えるものを生み出す糧となっているのがすごい。

2020/08/18

のぶ

江戸時代の歌舞伎界にどっぷり浸かる事の出来た作品だった。自分は歌舞伎についてはあまり詳しくないが、市川團十郎の事は知っている。浪人の娘、恵以はひとりの少年、海老蔵と出会う。子どもながらに芝居に出れば大暴れして舞台を滅茶苦茶にする破天荒さに呆れながらも、恵以は自然と人の注目を集める彼の素質に気づく。少年は後に市川團十郎を名乗り、荒事を歌舞伎芝居の中に持ち込んだ。初代團十郎の生涯を恵以の視点から描いた物語。いろいろ歌舞伎の事を知る事ができ興味深かった。その流れが現代に繋がっている事に感慨を覚えた。

2020/05/31

真理そら

初代團十郎の歌舞伎創成期の熱い物語から2代目團十郎の偉大な父を持つ苦悩とそれを乗り越える物語が初代團十郎の妻の視点で描かれている。旗本奴や町奴、絵島生島事件等々の時代背景を絡めながらさすがにうまくまとまっている。この作者の作品としては淡々とした雰囲気の描写が多い気がした。

2021/01/09

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