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二百十番館にようこそ

二百十番館にようこそ

二百十番館にようこそ

作家
加納朋子
出版社
文藝春秋
発売日
2020-08-05
ISBN
9784163912417
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二百十番館にようこそ / 感想・レビュー

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しんたろー

ニートでゲームオタクの男性主人公で話が進み、マニアックな笑いの要素も多いので「いつもの加納さんらしくないなぁ」と思いながら読んでいたが、途中から温かくて優しい加納テイストがグイグイ押し寄せてきた。イヤな登場人物がいなくて、上手く事が運ぶ展開なので「けっ!」と思う人もいるだろうが、人情味多い人の繋がりは勿論、島や猫の描写にも癒された。終盤は加納さんらしい「日常ミステリ」的な種明かしもあって、それがチョットした感動になるのも好みだった。今が上手くいっていない人へのエールが込められた前向きになれる素敵な作品。

2020/10/02

ウッディ

家を追い出され、叔父から相続した小さな島の元保養所で暮らすことなったゲームオタクのニート。生きていくために同居者を募り、島の老人たちと交流することで自立していく。色んな事情でニートになった人でも優しい人達に囲まれて頼りにされれば自信を取り戻していく、一歩踏み出す勇気の大切さを教えてくれる一冊でした。描かれたゲームも面白そうで、アバターのキャラがその人の本質を表しているのかもしれないと思った。タピオカさんの正体に驚き、後半のミステリーもすっきり温かい結末で、こんな島があれば行ってみたい。面白かったです。

2020/12/15

ひさか

オール讀物2019年2、5、7、9,10合併、11月号、2020年1、3,4合併号に掲載したものを2020年8月文藝春秋から刊行。ニートが島でシェアハウスを運営しながら暮らして行くお話。展開が都合良すぎるように思いますが、次から次へとおこる問題になんとか対応していく様子が面白く楽しい。話に出てくるオンラインゲーム世界の描き方が上手く(深く入り込まないのが良い)、展開に彩りをもたらします。

2022/01/15

紅はこべ

ダメな奴、バカな奴はいるけれど(主人公からしてそう)、根っからの悪い奴は出てこない、加納さんらしいといえばらしいお話。設定や話の進行が御都合主義的な気がしないでもない。結局、親は子供を愛しているってことですね。これからの彼らの問題は恋愛ですね。これだけは島やゲームだけでは解決しないな。オンラインゲームプレイヤーが主人公って、今期のドラマでもあるけれど、これからも増えるんだろうな。早速『鬼滅の刃』への言及あり。

2021/02/24

とろとろ

ニートで自宅にいる20代の主人公。両親の苦肉の策で離島に残された伯父の遺産を相続することに成って体良く追い出される。金銭面の不安解消のためにニート仲間を集めてシェアハウスを営むうちに、島の人達と色々な触れあいがあって、ついに島で永住することを決意する…というお話かしらね。最初はどうしようも無いネットゲームのニートオタクだったが、そのゲームを通じて知り合った人達とシェアハウスで暮らすという設定が面白い。離島の設定も独特で情景が浮かぶようだった。女性の登場が少ないけれど、ちょっと色をつけて映像化して欲しい。

2020/11/16

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