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乱都

乱都

乱都

作家
天野純希
出版社
文藝春秋
発売日
2020-10-23
ISBN
9784163912790
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乱都 / 感想・レビュー

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とん大西

信長、秀吉ら英雄達のブレイクで収束の兆しをみせる戦国時代。遡ること百年、その発端ともなった応仁の乱から始まる強者どもの物語。畠山義就や細川政元に細川高国などなど…。あまり小説でもみかけない渋めの面々。その彼らの業が凄まじい。京の都で繰り広げられる権力闘争。節操がないから秩序がない。秩序がないから安寧がない。お立ち台には日替わりヒーローの如く登壇。が、真の英雄ではない。明日の太陽が上る頃、或る者は都を追われ、或る者は骸となる。混乱を生み出し、混沌を長らえさせた罪深くも哀しい彼らの生きざま。いやぁ、力作です。

2020/11/22

ずっきん

魔都に翻弄される七人の男達の生きざまで紡いでいく、応仁の乱から足利幕府滅亡までの百年。濃い。一編一編が、ものすごく濃い。梟雄は梟雄のまま、愚人は愚人のままに描かれてるってのに、浪漫駄々漏れの、野趣溢れまくりの、魅力炸裂のかっけえ男祭りである。後半、舞台の惨たらしさと厚みがぐっと増し、なんとあの義昭が、可愛くて、どうしようもなく哀しくて、愛しくて、胸を絞られる。ああ、もっとゆっくり、一編ずつ読めばよかったなあと、いまさら。ごっつぁん!

2020/12/26

巨峰

下剋上から戦国へ。京都の戦乱を畠山義就から足利義昭まで。7人を主人公とした短編で紡ぐ。京都の戦国は、足利、山名、細川、三好、松永ら諸将入り乱れての動乱でまとまりにくい感じがしていたところ天野さんのこの小説でかなり整理されて理解することができたと思う。

2021/02/28

hiro

『決戦!シリーズ』のように主人公が変わりながら、「都には、魔物が棲んでおりまする」で始まる戦国時代の京の都を描く連作短編集。今まで戦国時代の小説といえば、“有名な”戦国大名が主人公の作品を多く読んできたため、登場人物がこの時代の足利将軍家、畠山家、細川家中心のこの作品は、多くの登場人物を知らないため読みにくくはあったが、新鮮な気持ちで読むことができた。やはり一番の驚きは、京の都が応仁の乱以降もこれほど何度も戦火に見舞われていたことだった。読み終えて、乱都には本当に魔物が棲んでいたと思った。

2021/04/29

ポチ

応仁の乱から始まり室町幕府が崩壊するまでの、あまり有名ではないが歴史の一幕の役割を果たした、都という魔物に魅入られた7人の男の話。盛者必衰。

2020/11/05

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