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傍聴者

傍聴者

傍聴者

作家
折原一
出版社
文藝春秋
発売日
2020-11-26
ISBN
9784163912882
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「傍聴者」のおすすめレビュー

木嶋佳苗死刑囚の“婚活殺人事件”をモデルに折原一が放つ最新本格ミステリー! 騙されるずに読めるか?

『傍聴者』(折原一/文藝春秋)

 実際に起きた事件を下敷きに描かれる、折原一の最新ミステリー「〇〇者」シリーズ。神戸連続児童殺傷事件がモデルの『失踪者』、世田谷一家殺害事件などをモチーフにした『侵入者 自称小説家』などに続いてこのたび刊行された『傍聴者』(文藝春秋)は、首都圏連続不審死事件――木嶋佳苗死刑囚が犯人として逮捕された婚活殺人事件をもとにして描かれている。

 1992年に刊行された第1作『毒殺者』(単行本刊行時は『仮面劇』)が文庫化される際、折原一氏はこう述べている。「私は小説家になった当初から、現実に起きた事件をモチーフに小説を書きたいと思っていた。事件を最後までそのままなぞり、考察を加えていくノンフィクション風のものではなく、その事件をもとにまったく違ったミステリーに発展させたものである」。つまり、今作『傍聴者』が決して事件の“真実”を明らかにするものではないことを先に記しておきたい。現実に重なる部分は数多くあれど、あくまでもミステリー小説である。

 とはいえ、複数の交際相手から金銭をまきあげ殺した罪で起訴され、裁判所に立つ牧村花音は、木…

2020/11/26

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傍聴者 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

久しぶりの折原さん。かなり久々の「○○者」シリーズの最新刊。ハイ!予想通り見事に翻弄されましたよ。第一部は我慢して堪えて読んだ。そもそも「毒っ子俱楽部」って怪しすぎ。イヤな奴ばかり…第二部になってもイヤな奴はやっぱりイヤな奴で…あれよあれよと作者の思うつぼなのだろうなぁ(汗)こんな家族が側にいたら嫌だなぁ。

2021/02/01

KAZOO

久しぶりの折原さんのシリーズでしたが、最近あった事件を元にうまく構成されているなあと感じました。事件の犯人と思われる女性、裁判の傍聴をしている女性たち、取材をして事件記録を書いている男性などをうまく使いながら最後はやられたなあという感じを受けました。だまされてしまいます。

2021/04/21

ゆみねこ

面白かったです!久々に折原さんを読みました。実際の事件を彷彿させるような被告人・牧村花音。親友を殺害され事件を明らかにするため花音に近づくノンフィクション作家・池尻淳之介。毎回裁判を傍聴する女性四人の毒っ子倶楽部。怪しげな人物は想像通りだったけど、最後まで読みきって大満足でした。

2021/08/19

タイ子

交際していた男たちを次々に殺し、財産を奪っていった牧村花音。これって後妻業の話なのか?!そのテーマはもう古いぞ。彼女の裁判を傍聴して感想を述べあう4人の女性たち。そしてもう一人、親友を花音に殺されてその真相を暴くため彼女に近づくジャーナリストの男・池尻。裁判、喫茶店の会話、池尻のレポートが交互に繰り返されながら展開するストーリー。一体着地点はどこだ?何が言いたいんだ?と思われる長々しい話が続く。あー、そういうことだったんだ。すっかり騙された、と言うよりこの展開は面白いな。折原さん、翻弄されましたよ。

2021/03/22

cinos

練炭で男性たちを殺した疑いで裁判にかけられる女性。裁判の傍聴者4人は「毒っ子倶楽部」というサークルを作ってジャーナリストの原稿を読みながら裁判の行方を追う。判決が肝ですが、あれよあれよの結末はさすが折原一さんです。

2021/01/16

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