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騙る

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作家
黒川博行
出版社
文藝春秋
発売日
2020-12-14
ISBN
9784163913056
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騙る / 感想・レビュー

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starbro

黒川 博行は、新作中心に読んでいる作家です。表紙絵から後妻業的な詐欺師の物語かと思いきや、古美術・骨董品騙ミステリ連作短編集でした。オススメは『マケット』です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163913056

2020/12/28

utinopoti27

魑魅魍魎が跋扈する、書画骨董ビジネスの裏を書かせたらダントツに面白い黒川氏。本作に収録されている6つの短編も、ケレン味タップリの筆致で楽しませてくれる。テンポの良い関西弁のセリフ回しと、短編らしい起承転結のはっきりしたシナリオが効果的。なかでも、地面師を彷彿とさせる騙しの手口が登場する『鶯文六花形盒子』がいい。欲の皮が突っ張った人間の心理を上手く突く詐欺師のテクニックと、胸のすく着地に注目だ。騙す奴が悪いのか、騙される奴が馬鹿なのか、異次元感覚の黒川ワールドにどっぷりハマるのも悪くない。

2021/02/12

あすなろ

黒川氏の美術系小説。黒川氏のこのジャンルも捨てがたいジャンルなのである。そして、黒川氏だから決してお上品な美術物である訳がない。騙るという先ずは題名がイイ。あくまで騙すのではなく、贋作でもないのである。あ、コレはワシが書いた奴や、そんな言葉がゴロゴロ出てくる。そんなセリフに惹き込まれ、一気に読み通してしまった連作短編集。続きが出るのかな、今後。こうした内容に興味覚える方には愉しいエンターテイメントかと。

2021/05/30

修一郎

「なんでも鑑定団」は好きだったし,疫病神シリーズの中では「螻蛄」が特に好き。そんなわけでこの古美術シリーズ3作目も滅法面白かった。コレクター&美術商&美術館というせまい世界で繰り広げられる小悪党たちの悪知恵の数々!扱う文物の価値の付けられ方が実にさまざまでホントに面白い。写しだって縮小モデルだって評価できればちゃあんと価値がつくのだね。どれもよかった。「鶯文六花型盒子」は最新技術をすっごくニッチな文物に適用した手口で特にお気に入り。早速,シリーズの残り2作「文福茶釜」「離れ折り紙」も読みます。

2021/01/29

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

(2023-20)【図書館本】骨董品や古美術をテーマにした連鎖短編集。美術誌「アートワーク」の編集長、佐保。編集長と言っても編集から広告営業までこなす何でも屋。彼の元で起こるさまざまな古美術の取引。真作と贋作の差は紙一重、騙す奴が悪いのか、騙される奴が無知なのか?ほんとに黒川作品には「悪い奴ら」しか出てこないねぇ。たった一つ明確なのは骨董品は素人が手を出すもんじゃあないね。よほどの目利きか、例え偽物だろうと好きな物は好きと割り切れる人じゃないとダメだ。★★★+

2023/03/02

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