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図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記

図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記

図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記

作家
穂村弘
出版社
文藝春秋
発売日
2021-01-27
ISBN
9784163913223
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「図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記」のおすすめレビュー

穂村弘が幅広いジャンルの本を丁寧に読み解く。絵本や百年前の名作、あの有名な少女漫画の金字塔も

『図書館の外は嵐』(穂村弘/文藝春秋)

 穂村弘さんは歌人で、エッセイストでもある。だからかもしれないが、穂村さんの書評集『図書館の外は嵐』(文藝春秋)は他の書評とは一味違う。穂村さんは紹介する書籍の文章を見て、「あっ」と思う一文をとらえる。

 だいたいの書評はその本の全体像から何かを考察する類のものが多いだろう。穂村さんは自分の感覚についてこのように表現している。

“ちらっと見かけた人が見たことも無いサングラスをかけていたら、その残像に無限に惹かれてしまう”

 例えばロシアのディストピアSF『われら』の表紙裏にある「生殖行為も『薔薇色のクーポン券』によって統制されている」というワンフレーズにときめいたり、漫画家つげ義春作品『リアリズムの宿』の台詞「サンビスしますから」が忘れられなかったりする。

 これは穂村さんならではの感覚だろう。

 しかし紡がれる書評はひとりよがりに陥らず、それぞれの書籍の文章や物語の味わい深さをわかりやすく読者に紹介してくれる。

 つげ義春さんの作品に触れたことからもわかるように、穂村さんが本書で取り上げているのは小説だけではない。絵本…

2021/2/19

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図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記 / 感想・レビュー

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旅するランナー

週刊文春で2017年7月20日号~2020年7月9日号に連載されていた読書日記。小説、歌集・句集、絵本、漫画など、様々なジャンルの本を独特の語り口で紹介して頂けます。穂村さんこそ特別な声の持ち主だと思います。心が本の中の世界を彷徨います。あ~、また読みたい本がドッサリ増えちゃうなぁ。ヒグチユウコさんによる表紙絵も独特の魅力があって素敵です。

2021/05/16

KAZOO

穂村さんの三冊目の読書録です。週刊文春に2017年から20年にかけて連載されたものをまとめたものです。絵本やコミックなど幅広く読まれておりますが句集や歌集が当然のことながら多いようです。また文章が短くて読んでいて小気味よさが感じられます。やはり歌人でおられるからでしょうか?

2021/06/22

アキ

表紙のヒグチユウコの絵と「図書館の外は嵐」という題の言葉が、穂村弘の本の中にしかない世界を表わしているようでなかなかいい。やはり詩人であるからこそ、ことばに敏感な書評である。この中で紹介された本をいくつか手に取った。「フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記」、Naffy「Mou」、小川洋子編「小川洋子と読む内田百閒アンソロジー」などどの本も強烈に印象に残っている。紹介された本の中で「橋本多佳子全句集」「西東三鬼全句集」とその2人が登場人物の松本清張「月光」は是非読んでみたい。清張も俳句に親しんでいたらしい。

2021/03/16

クプクプ

この読書紹介は面白いです。精神的に追い詰められた人にはユーモアが必要という表現は当たっていると感じました。私は、つげ義春や又吉直樹くらいしかわからなかったのですが、何といっても穂村弘が直木賞をとる前の佐藤究の本を絶賛している点が絶妙のタイミングだと思いました。文字の少ない本ですが、この作品をゆっくり読むことが私にとって最高の贅沢でした。誰でも最後まで読める本なので普段、本を読まない方に特にオススメです。

2021/10/26

美登利

ああ、穂村さんの文章は読みやすいな。押し付けがましくなく、優しい。本の紹介とまではいかないくらいの短い感想だけれど、それがかえって良かったです。読んだことのない本ばかりで、多分共読は「蕎麦湯が来ない」だけだと思います。小説以外に、歌集、絵本、漫画も多く出てきて読書量に驚き。そうだ、ほむほむは大島弓子さんの大ファンだったね。色んな漫画のセリフを書き並べてあったけれど、やはり絵が無いとその世界に入っていくのはかなり難しいと感じました。大好きな作品だと頭の中に絵とセットで刻み込まれてるものなのでしょうね。

2021/03/04

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