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僕が死んだあの森

僕が死んだあの森

僕が死んだあの森

作家
ピエール・ルメートル
橘明美
出版社
文藝春秋
発売日
2021-05-26
ISBN
9784163913773
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僕が死んだあの森 / 感想・レビュー

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starbro

ピエール・ルメートルは、邦訳された全作品を読んでいる作家です。本書は、心理サスペンス、展開的には面白いですが、著者にしてはオチが弱い気がします。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163913773

2021/07/04

青乃108号

夜遅くに仕事から帰って、妻は義父の入院手続きで実家に泊まりに行ってるし、俺は欠かせない睡眠薬を切らしてしまっているせいでどうせ眠れないから、と読み始めた。たちまち夢中になった。寝るどころの騒ぎではない。人生で初めて本を読んで徹夜した。さすがピエール・ルメートル。物語は予想を大きく超えて、とてつもなくハードでありながら時にユーモアも交えたりして緩急自在にうねる様に展開してゆく。12歳にして衝動殺人を犯してしまった少年の運命は。その結末の鮮やかさは必ずや永く俺の記憶に残るだろう。それにしても疲れた。眠りたい。

2023/08/25

みっちゃん

不幸な偶然の重なりで、6才の男の子を殺してしまった12才の少年。タイトルと帯の文言から、罪と罰、そして贖罪の物語になるのか、と予想はしたが。彼の罪には後悔はあるけれど、贖罪は欠片もなかった。その罪を覆い隠し、発覚に怯えるだけの日々。嘘に嘘を重ね、それは12年の歳月を経ても変わらない。罪を隠し続ける為には大切な人を裏切っても何の心の痛みも覚えないのか。そこまでした後に待っている、あの何とも名状し難いラスト。この先には何が待っているのか。

2021/08/21

KAZOO

ルメートルの作品はほとんど読んできているのですが、今回の作品はどちらかというと人間心理がどのように変わっていくかを関わりある人物などの動向と絡めて克明に描かれています。事件の起きた1999年、その後2011年、2015年ということで時系列的に12歳の少年が起こした事件とともにその少年が成長するとともにどのような気持ちを持ち続けていくのかがよくわかります。一種の心理小説だという気がしました。

2023/09/18

モルク

母とふたり、閉鎖的な小さな村で暮らす12才のアントワーヌはある日隣に住む6才の少年を殺してしまう。死体を森の巨木の下、洞窟の入口らしきものの中に転がして入れた。そして帰路の途中腕時計がなくなっていることに気づく。少年の失踪で村はてんやわんや。もし死体が発見され自分が犯人と知られた時の恐怖にさいなまれるアントワーヌ。あの森の徹底調査が行われるというまでの3日間のアントワーヌの揺れる心が生々しい。この3日間が後のアントワーヌの人生を決めてしまったのだろう。追い詰められていく彼の心理描写が抜群にうまい。

2022/05/23

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