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白光

白光

白光

作家
朝井まかて
出版社
文藝春秋
発売日
2021-07-26
ISBN
9784163914022
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「白光」のおすすめレビュー

「今月のプラチナ本」は、朝井まかて『白光』

『白光』

●あらすじ● まだ開国して間もない明治5年、「絵師になります」と宣言して故郷の笠間(茨城県)を飛び出した山下りん。武士の家に生まれ、結婚するのが当たり前という周囲の考えを跳ねのけて上京したりんは、様々な師匠のもとで修業。己に西洋画の素質があることを知る。工部美術学校に初の女子学生の1人として入学を果たし、西洋画をさらに探求しようとするりんは、同期の政子に誘われて神田駿河台のロシヤ正教教会を訪れる。そこで宣教師ニコライと出会ったことで、りんは芸術と信仰、そして聖像画を知る。それはりんの人生を大きく変えていく――。 あさい・まかて●1959年、大阪府生まれ。2008年、『実さえ花さえ、その葉さえ』(単行本化にあたり、『実さえ花さえ』に改題)で第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞しデビュー。13年に『恋歌』(講談社)で本屋が選ぶ時代小説大賞、14年に直木賞を受賞。ほか、同年に『阿蘭陀西鶴』(講談社)で織田作之助賞、15年『すかたん』(講談社)で大阪ほんま本大賞、16年『眩』(新潮社)で中山義秀文学賞、17年『福袋』(講談社)で舟橋聖一文学賞、…

2021/9/6

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白光 / 感想・レビュー

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starbro

朝井 まかては、新作中心に読んでいる作家です。日本初のイコン画家、山下りんは、知りませんでしたが、単身ロシアに留学するなど、明治時代でも凄い女性が存在していました。それにも関わらず、令和の日本の男女平等度ランキングは先進国最下位、全体120位とはどういうことなのでしょうか? 自由がないと言われている中国(107位)やミャンマー(109位)よりも下です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163914022

2021/08/10

旅するランナー

聖像画を描くことそのものが、祈りだ。イコン画家(ロシア正教会の聖像画)、山下りんの芸術と信仰。明治・大正時代を通じての、ロシアとの関わりが波瀾万丈です。絵を描くことに生涯を捧げた、真っ直ぐな女性なんですね。それと、ニコライ主教が親しみやすい魅力的な偉人として描かれ、日露戦争での苦難などもあり、とても読みごたえがあります。とりあえず、お近くのハリストス正教会を訪れてみては如何でしょう。それでは、皆さん、パカー。

2021/09/20

いつでも母さん

ただただ圧巻。日本初のイコン画家・山下りんの生涯。この方のことは知らない。ロシア正教のこともイコン(聖像画)の事もほとんど知らない。それでもこの熱に当てられ読み切った。絵師になりたくて、その一途さに他と衝突するも迷わずただまっすぐに道を開くりんが逞しい。西洋画に目覚め、ロシヤ正教と出会い、聖職者ニコライに導かれイコン画家となるりん。ロシヤに留学するも、思うような成果を得られず途中帰国。芸術と信仰の狭間で自ら気づくこと。そして、覚醒。白内障になり筆を断つも、その道が後に引き継がれているのは想像に易い。

2021/08/13

みっちゃん

嫁に行き、子を生み、夫や姑姑に仕え家事に追われ…女の人生にそれ以外の選択肢などあり得ない時代にこんなひとがいたとは。「絵師になる」その一念で故郷を飛び出し、師匠を探し、とうとう単身ロシアへ渡る。周りの助けがあったとしても、凄い胆力ではないか。絵を描く為の手段としか思えず苦悩の元であった、ロシア正教の宗教画。長く遠い回り道の果てにそこに自分の生きる意味と使命を見出だした人生。よく泣き、よく笑い、酒とひとを愛した人生。その長い道程の先に辿り着いた境地を遺憾なく描いたラストは胸を打つ。

2021/10/05

trazom

山下りんの生涯を描いた小説。この画家に対するこれまでのイメージが全く覆り、戸惑いを隠せない。りんのイコンを見ると、ロシアでの絶望的な聖像画修業を乗越えて到達した静謐で穏やかな女性像を想像するが、朝井さんの描くりんは、そんなもんじゃない。我儘と非難されようが堂々と自我を主張し、自らの力で人生を切り拓く強い女性である。ニコライ主教の人格、ロシア正教の位置づけ、日露の微妙な関係などを背景に、主人公の生涯が生き生きと描かれてワクワクと読めるが、りんの残した作品について、もう少し言及あってもよかったかもしれない…。

2021/09/22

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