きみだからさびしい
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大前粟生「恋ってよくわからない 悩んでもがくむきだしの恋愛小説」『きみだからさびしい』インタビュー
恋愛感情は一方的で、思いを向けられた相手からすれば、時に暴力的ですらある。そんな好意の加害性を自覚しながら、なぜ人は人を好きになるか。これは恋愛というよくわからないものに、誠実に向き合った小説だ。
(取材・文=野本由起 撮影=佐藤 亘(文藝春秋写真部))
「ジェンダーの不均衡、そこから来る暴力性、危うさを踏まえたうえで、恋愛ができるのかというところからスタートした小説です。時代が進むにつれて価値観や人間関係が多様化して、今までになかったような考え方も出てきています。今はちょうどすれ違いや衝突が起こる時期なのかなと思って。きっとこれから折り合いがついていくんでしょうけど、一旦解決すると葛藤していた時のことは忘れてしまいます。なので、恋愛小説を書きたいというよりは、いろんな考え方を小説に書くことで保存したいという動機がありました」 町枝圭吾は窪塚あやめに恋をする。恋と性欲は混同したくない。でも、100%の自分で、最高の恋がしたい。 「圭吾は、臆病で優柔不断で、思い悩んでしまう人。思い浮かべていたのは、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ。20代で…
2022/3/7
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きみだからさびしい / 感想・レビュー
ネギっ子gen
ホテルで働く圭吾(24)は、恋愛をすることが怖い。自分の男性性が、相手を傷つけるのではと……。けれど、出会ってしまった。あやめさんに。彼女が所属する「お片付けサークル」に入る。圭吾の告白に彼女は「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」って――。【キャラ】<気にすることがうまくできない。つい、どうでもいいと思ってしまう。あんまり自分に興味を持てなくて、いつもぼんやりしている。そういった、ギラギラしてなさとでもいうような雰囲気のせいで、圭吾は勝手に馬鹿にされたり、逆に勝手に好感を持たれたりする>。⇒
2023/06/03
よつば🍀
『すき』と『さびしい』が溢れてる。主人公は京都市内の観光ホテルで働く24歳の町枝圭吾。二条城の周囲をランニング中に出逢った窪塚あやめに恋をする。意を決し想いを告げた圭吾だが返って来た返事は「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」うーん、これは切ない。昨今、多様性が謳われLGBTの認知度も上がって来たとはいえ、複数の人とオープンな恋愛関係を持つポリアモリーには私自身抵抗がある。あやめと付き合い幸せを願いながらも、嫉妬や独占欲に悶える主人公の想いに共感する。シンプルな言葉で紡がれたピュアな恋愛小説。
2022/03/29
❁かな❁
めっちゃ良かったぁ!恋愛することが怖い圭吾。そんな圭吾が好きになった人はポリアモリー(複数の人とオープンな恋愛関係を持つこと)。彼女のことを丸ごと受け入れたい。だけど…。純粋な恋する気持ちが描かれていてまぶしい。切ない想いも嬉しい気持ちも瑞々しい文章で描かれていてすごく心に響いてきた。何度も涙ぐんでしまい後半でぽろぽろ泣いてた。関西弁のやり取りも好き!恋の切なさや喜びがピュアに描かれ今どきの恋愛の価値観が掲示されるような感じ。読後感も良くとっても素敵な作品。初めて大前粟生さんの作品読んだけど好みで大好き♡
2022/03/13
キンモクセイ
町枝圭吾はランニング中に出会った4つ歳上の窪塚あやめに恋をしていた。好きになると彼女の全てが輝き何もかもが愛おしくなる。片思いから勇気を出して告白したら「私さ、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」何それ?ポリアモリーとは複数の人を好きになって複数の人と恋愛関係になることらしい。純粋に心の底から好きで、好きの感情と性欲を混同したくないと思っている、その気持ちは神聖なものみたいな圭吾だから、さぞ悩み苦しんだろう。好きだけじゃ互いの壁を越えられるとは限らない。圭吾の感情って高校生の時に抱いた感情に似ていた。
2022/04/16
ぼっちゃん
恋愛が怖い主人公が好きになった女性は複数のパートナーと合意の上で関係を持つ”ポリアモリー”で。。。彼女理解し丸ごと受け入れたいとは思いつつ、悩み葛藤する姿が上手く描かれている恋愛小説でした。【図書館本】
2022/04/23
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