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世界が青くなったら

世界が青くなったら

世界が青くなったら

作家
武田綾乃
出版社
文藝春秋
発売日
2022-03-07
ISBN
9784163915098
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世界が青くなったら / 感想・レビュー

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さてさて

『人間っていうのは選択の積み重ねで出来てると思ってるの。一つでも違う何かを選んでいたら、それはもう別人なのよ』。…『平行世界』の考え方を物語の土台に用いたこの作品。そこには、昨日までは恋人として同じ時を過ごしていた『亮の姿だけがどこにもない』という現実を前に戸惑う主人公・佳奈が真実を追い求めていく姿が描かれていました。ファンタジーが好きな方にはたまらないこの作品。数多く張られた伏線が丁寧に回収されていく構成の上手さにも驚くこの作品。『平行世界』を真正面から扱ったストーリー展開にとても魅了された作品でした。

2023/10/04

とん大西

たられば、タラレバ…。積み重ねた日々の上に今日があり、また明日がやってくる。そんな普遍な日常に存在していた並行世界。こちら側では亡くなった人も向こう側では存命で、こちら側では我慢した人も向こう側では限界に達し。十人十色×無限の世界。忽然と消えた亮。その生きた証も、周囲の人の記憶からも。唯一、恋人である佳奈を除いて。忘れられない、忘れたくない。彼らが育んだ確かな日々。伏線回収が全部できたかはちょいと疑問ですが、後味の良い青春ファンタジーでした。『コーヒーがさめないうちに』や『君の名は』に似てたかな。

2022/05/04

モルク

大学生の佳奈がある日目覚めると恋人の亮が突然いなくなっていた。そして彼の痕跡は何も残っておらず、誰も彼の存在すら覚えていなかった。友人についていったのは不思議な雑貨店。そこは会えない人に会えるという奇跡のおこる店。こちら側現実世界とは異なるあちら側の世界パラレルワールドを繋ぐ店。何かありそうな店長、黒い猫、ドアの向こう側…。ファンタジーの世界、そして著者には珍しい甘さが漂う。4,5年後であるエピローグにほっとする。

2022/06/09

Ikutan

武田綾乃さんの作品を読むのは3作目。今回は今までとは異なり、壮大なファンタジーになっていて、その想像力に圧倒された。ある日、目が覚めたら愛する恋人が世界から消えていた。友人の不思議な夢に付き合って、『Kassiopeia』という店を訪ねた佳奈は、彼によく似た店主や朧気な記憶から、この不思議な店で助手として働き始める。平行世界と繋がるこの店。店主は招かれて訪れた人たちに『自己満足を売る店』だというが..。独特な世界観と心に刺さる台詞。鮮やかな描写で一気読み。切ないけれど後味は良好。武田さん進化してるね。

2022/04/03

yukision

日々の暮らしでも限りなく選択を繰り返しているが,もう一つの選択をしていたら?と考えることがある。そんな別の世界が存在するファンタジー。突然消えた恋人と「奇跡が起こる店」そして,あいまいな記憶の謎を追いかけたくて一気読み。何かを選択した時に正解だったのか不安になる私には「正しいことを選ぼうとするな,選んだものを正しくしていけ」というおじいさんの言葉が響いた。

2023/11/01

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