因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか
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因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか / 感想・レビュー
kitten
図書館本。私達は、「相関関係と因果関係は異なる」と統計学で教わるが、では因果関係をどのように示すのか?ということが科学的に難しかった。一つの答えがRCTであるが、いつでもRCTが行える訳では無い。ようは、交絡因子をどうやって処理していくのか。今のAIは意味を考えることはできない、と読んだことがあるが、それにもつながる。因果関係を計算できなければ、意味など読める訳がない。今までの科学がひっくり返るような壮大な話だけに、非常に難解。これは、知恵の必要な話だな。データだけですべてわかるわけはない。
2023/08/18
月をみるもの
因果論は人間の意識と認識の根本にあるため、これを軸にした宗教はめちゃ強い。現世では決して成り立たない因果応報が、前世や来世を設定することで自然に説明できてしまう。これを否定するには、あらゆる因果ダイアグラムと反実仮想を無化する「悟り」が必要なのだ。シッダールタ偉すぎる。パールはやっぱよくもわるくもユダヤ人って感じ。
2023/05/29
loanmeadime
読んだ、とは決して言えない理解度ですが、どうにか最後まで字面を追いました。テレビのコメンテーターなどの話を聞いていて「それは相関関係で因果関係じゃないだろう」と突っ込みたくなることがちょくちょくあるのですが、本書を読み始めてすぐに因果に対する自分の不明を悟りました。ところが、本書の初めで三歳児が因果関係を理解できる、と述べられます。因果推定のために必要な、介入や反事実という手続きの説明は理解したとは言い難いのに、例については何となくわかった気になるのは、私の中の三歳児が活躍したのかもしれません。
2023/05/07
shin_ash
パール氏のTwitterアカウントにもThe Book of Whyって出てたので気になっていた。めでたく翻訳されると言うことで早速読んでみた。本書は縦書きに読み物風なので、パールの統計的因果推論やその他の入門書を読んでいると、理解が深まって非常にわかりやすい。反事実などは“U”って何?って思っていたがUnitのUらしい。単称因果(個別の因果)を考える場合の“個”のことを単位(Unit)と呼んでいる様だ。ただ、林岳彦先生もつぶやいていたが多分それは予備知識があるからだろう。松尾氏の解説にも“難解”とあるの
2022/10/02
わたなべ
めちゃくちゃ面白かった。こんなに面白い本が読めたのは久しぶりだ。内容は因果推論についてだが、手法というよりも主に歴史について。因果というものが科学の世界で歴史的に異端とされてきた経緯について事細かに書かれていて面白い。 因果推論は我々が普段当たり前のように行うものあるが、因果関係を排除した統計学が繁栄した結果、因果を扱うことはタブー視されてきたということがわかる(私達は統計学を習うとまっさきに、相関関係があるからといって必ずしも因果関係を示すものではないと習うが、それ以上のことについて習うことはない)。
2024/01/30
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