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小説家の一日

小説家の一日

小説家の一日

作家
井上荒野
出版社
文藝春秋
発売日
2022-10-13
ISBN
9784163916057
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小説家の一日 / 感想・レビュー

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starbro

井上 荒野は、新作中心に読んでいる作家です。 「書くこと」をテーマに紡いだ連作短編集、オススメは、 「緑の象のような山々」&「つまらない湖」です。 https://books.bunshun.jp/articles/-/7525?ud_book

2022/11/06

ケンイチミズバ

彼女はSOSを発信しない。トイレの壁に景色のない窓枠を落書きする。母親の負担を思い遣り、自分の現実は無視するのだ。ある日、窓枠の中に花が描き足されて。どの物語も終わりの先は読者に委ねられます。いじめがテーマの作品には心のモヤモヤの方が残った。自分にも似たような思春期の記憶があるからだろう。読了が惜しいなと思える推しの短編集です。とても上手い。熟練味があり、書くことがテーマで扱う素材は幅広くて。サプライズが心の引っかかりを押し流し、指輪を受け取って後々後悔したカップルっていないのかな?そんなことも考えた。

2022/11/15

Ikutan

メール、メモ、小説、SNS、らくがき、レシピ..書くことをテーマにした短編10作品。様々なシチュエーションですが、どうなるどうなると物語に一気に引き込んでくれる手腕は流石です。そして、何かを予感しつつも、結末が読者に委ねられるところが、井上さんらしい。『窓』のいじめの描写は辛かったなぁ。『園田さんのメモ』と『凶暴な気分』も、ちょっと救いはあるものの不穏なままの終わり方で、心がざわつく感じ。でも嫌いじゃない。むしろ好きかも。そんな中、のっけの『緑の象のような山々』のラストは爽快だった。

2022/11/30

とよぽん

短編集だ。どれもざらつき感があり、人間のイヤな部分とかもの悲しさとか、無常の世を差し出してくる。荒野さんの短編は初めて読んだ。

2023/01/04

itica

ペンを持って紙に綴る(今風ならパソコンなどに文章を打ち込む)ばかりが「書く事」ではないんだな。メールやちょっとしたメモなんかもそうなら私たちは案外、毎日のように書いているのかも。日常を切り取った10話は、ちゃんと前向きに完結している話もあるのに、どこか落ち着かないザワザワが残る作品が多かった。中には荒野さん自身やお父様をモデルにしたのかな?と思うような作品もあって、いろいろ想像して楽しんだ。書くことには想像が伴うが、読むこともまた想像が必要と考えると面白い。

2022/12/05

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