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私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記

私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記

私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記

作家
水谷緑
出版社
文藝春秋
発売日
2022-10-21
ISBN
9784163916149
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「私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記」のおすすめレビュー

母は統合失調症。家族のために私は幼少期を捨てた――実話をもとにヤングケアラーのSOSを訴える『私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』

『私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』(水谷緑/文藝春秋)

 本来、大人が担う家事や家族の世話などを、日常的に行わざるを得ないヤングケアラー。彼らが発するSOSは近年、メディアなどで取り上げられるようになってきたが、自分がヤングケアラーであることに気づかず、子どもらしい日常を奪われている子は、まだ多い。

『私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』(文藝春秋)は、そんな現状の深刻さを痛感させられる作品だ。

 作者は、徹底した取材のもと、精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描いた『精神科ナースになったわけ』(イースト・プレス)を手掛けた、水谷緑氏。

 本作も、2年以上の当事者取材をもとに生み出されており、ヤングケアラーとして感情を押し殺しながら生きてきた主人公の心理描写が胸を突く。

家事と母の世話を担ってきたヤングケアラーが“自分”を取り戻すまで  ゆいは幼稚園の頃から、母に代わって家事をこなしてきた。母は、ゆいが2歳の頃に統合失調症を発症。家庭内で暴れ、体調が悪い時には包丁を持ち出すこともある。

 そんな姿を見ても、…

2022/10/26

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<続きは本書でお楽しみください>

2022/12/7

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2022/12/6

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私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記 / 感想・レビュー

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MI

ヤングケアラーとは本来親が担っている家事を子どもが大半担っている人。ヤングケアラーの半生をわかりやすくマンガで書かれた本。テレビや本で少し読んだことがあったが、本書を読んで 特に成長したあと、結婚、出産をへて、子育てをする中で、自分の幼少期の苦い思い出と重なり、成人になってからの方が、心のケアが大変だということを学んだ。感情を押し殺して成長してきたため、自分の感情を押し殺してきた。親と離れて生活をするようになり、自分がやりたいことがわからない。生活支援のこと、生きづらさのことをよく知ることができた。

2023/01/27

読特

親の病気や障害で家族の世話と家事を担う子供たち。ヤングケアラーは小学生の15人に1人。35人クラスに平均2人強。少ないとは言えない割合。小さなころからそこにあった家庭の形。困っていることさえ気づけず思春期を迎え、大人になる。自分自身が子供を持つ。様々な生きづらさを抱える。とある瞬間にフラッシュバックする自身の幼少期の記憶。親との思い出。愛おしさと悲しさ・・・あぶり出されにくい家庭内の問題。著者も取材しながらその実態に驚いたという。共助に公助。力になれることはないのか?些細なことでもできる何かをみつけたい。

2023/02/26

ネギっ子gen

【大丈夫です。困ってないです。~ 何が「問題」かも判らなかった……】「心の病気」(統合失調症)による幻聴で暴れたり「浮気妄想」を言い立てる母、家庭に無関心な父、特別扱いされる弟、認知症の祖父。ゆいは幼稚園の頃から家族の世話を一手に担う。“大人の見栄・保身・世間体”の壁には感情をなくし対抗――。「あとがき」で、<取材していて実感したのは、「子どもはプライドが高い」ということです。同情されたくないですし、誰が何に怒るのか、喜ぶのか、冷静に見極めて行動しています。子どもの強かさを大前提にしながら描きたい>と。⇒

2023/04/06

たかこ

虐待サバイバーに続き、今度はヤングケアラーの本を。絵は可愛いのに内容がキツい。でも、実際にあったエピソード。子どもが子どもらしくふるまえない環境で育つこと。困ったことが問題として認識できないこと。それは子どものせいではない。子どもに頼りきる親、みてみぬふりをする周囲の大人、本当に救われない。今ヤングケアラーな子にこの本が目に止まりますように。そして、成人して自分の家庭を持った時になってもなお苦しめられる。苦しいし、生きづらいよね。周りに気にかけてくれる人がいますように。

2023/06/14

山口透析鉄

試し読みで冒頭50ページほどだけ読みましたが、かなりリアルで切実で、解説文も含め、良かったですね。 母親が典型的な統合失調症では、幼い子どもはなす術もないでしょうね。 個人でできることには限界がありますからね。 で、今の学校という世間レベルの前近代的な組織に埋もれて何ら疑問を感じていない大人では、こういう家庭をどうこう援助する、はあり得ないでしょうし……家族幻想を未だ振りまく反社会的カルトも連想しますね。 父親の問題等もあるのでしょうが、やはりやるせないです。政治の貧困でもあるでしょうし。

2023/01/12

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