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蝙蝠か燕か

蝙蝠か燕か

蝙蝠か燕か

作家
西村賢太
出版社
文藝春秋
発売日
2023-02-03
ISBN
9784163916576
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蝙蝠か燕か / 感想・レビュー

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starbro

久々の西村 賢太、3作目です。2022年2月5日に急逝した著者の遺作となる藤澤清造に纏わる私小説連作短編集、著者の凄まじい執念を感じました。著者がここまで拘る藤澤清造の作品を何時か読んでみたいと思います。私よりも若干若いにも関わらず、不摂生が祟ったのか、54歳で急逝した著者に改めてお悔やみ申し上げます。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916576

2023/03/27

ユースケ

★3 完成した小説で言えばラストということで、不思議と死を匂わせたところも有り、読んでいてなんとも言えない気分となった。 出されてしまった小説感は否めず、個人的な評価は凡作という判断ではあるが、独特の作風で、読み手を不思議と惹きつける類稀なる作家さんの新作をもう読めないというのは、矢張り悲しい限り。 西村賢太の没後弟子の出現を今は待とう。

2023/04/13

おかむら

貫多シリーズの単行本未収録の3本。大正時代の私小説作家藤澤清造(字が正しくないので賢太に怒られそう)への狂愛と後を継ぐ覚悟がくどい程出てきます。この度を越した執拗さが西村賢太だなあ。石川県民へのディスりと額縁屋の女性店員への罵詈雑言のところはいつもの貫太のノリで楽しい(でももう新しいもの読めないのでしみじみしちゃった)。秋恵のあと、7年間も半同居してた女性の存在も明かされます。えー! ポスト秋恵シリーズ、読みたかったよー。

2023/07/11

つちのこ

「賢光院清心貫道居士」昨年急逝した著者の戒名である。師と仰ぐ藤沢清造の「清」と、慕い続けた「清らかな心」、そして分身である北町貫多の「貫」。能登の西光寺で師の隣に眠る著者は、きっと今頃は私小説を肴にあの世で酒を酌み交わしているだろう。本書に収録された表題作は死の直前の『文学界』2021年11月号に掲載されたもの。死を予感していたのだろうか。54才になった貫多(著者)は、師の全集刊行が思うようにいかない焦りのなかで、自分に残された時間のすべてをぶつけることを何度も書き綴っている。しかし、志半ばで⇒

2023/06/30

澤水月

創作ほぼ読み「西村賢太は私小説だけでなく探偵小説が根本にあり、生き方・文章とも謎かけするスタイルでもありたかったのでは」という思いが確信になった。しかも“不誠実な語り手”ではない。急逝の前年に発表の表題作は何回か仰天したが読者に優しく、謎のほんの一端を愛読者へ明かしてくれた? 不穏な予感めいたものがあるが、改めての今後への決意も。読了3/29。衝撃で呆然として書きつけ遅れ、とりあえず未完連載『雨滴は続く』へ

2023/04/08

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