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トマトとイタリア人 (文春新書 310)

トマトとイタリア人 (文春新書 310)

トマトとイタリア人 (文春新書 310)

作家
内田洋子
シルヴィオ・ピエールサンティ
出版社
文藝春秋
発売日
2003-03-01
ISBN
9784166603107
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トマトとイタリア人 (文春新書 310) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

第Ⅰ章の「トマトの歴史」は、アルチンボルドの記述から始まり、前半は衒学趣味と筆致から澁澤龍彦を思わせるもの。本書によれば、イタリアがトマトを受け入れるまでには随分長い時間が必要だったようだ。今では切っても切れない仲なのに。第Ⅱ章の「絶妙のコンビ、パスタとの出会い」も面白い。そして、目からウロコの章でもある。そうだったのか。トマトソースの加熱時間は2~3分だったとは。さっそく、このレシピでスパゲッティを試してみよう。そして第Ⅲ章は、「21世紀のトマト」と題してイタリアにおけるトマトの現在と未来への展望だ。

2018/10/22

どんぐり

アルチンボルドが皇帝ルドルフ2世の唇に描いたトマト。冒頭はあまりにも有名なこの絵から始まる。トマトは世界で最もよく食べられている野菜だ。そんなトマトがイタリアに食用されるようになったのは、200年以上前で比較的歴史は浅い。最初は、神も存在しないような新大陸の野卑な異国から運ばれてきた悪魔の実と恐れられ、忌み嫌われていた。そんなイタリア人にとってのトマトの歴史が書かれている。後半は、トマトがベースにあるパスタとピッツァ、ケチャップとトマトソースの違い、ホールトマトの作り方や、1980年代のイタリアでのスロー

2018/10/19

冬木楼 fuyukirou

イタリア人の「トマトラブ」を語る1冊。イタリアと言えばパスタやピッツァ。パスタにもピッツァにもトマトは欠かせないイメージなのだけど実はイタリアでトマトが食されるようになったのはここ200年ぐらいなのだとか。新大陸アメリカからもたらされたトマトは長いこと「悪魔の実(食べてはいけない)」と決めつけられていたそうで、今のイタリア料理からは想像もつかない。巻末にイタリア一般家庭のトマトのレシピが掲載されており、そのトマトの量がまた圧倒的。まさにトマトラブ。

2016/12/10

deerglove

そうか、イタリア人もトマトがアメリカ原産と聞くと、裏切られた気持ちになるのねw。それほどイタリア料理には欠かすことのできないトマト。実は驚くほど種類も豊富なのだけれど、「この世の中で最ももおいしい」サン・マルツァーノ種でさえ、絶滅してしまっている現状には驚きました。とはいえ、<イタリア家庭料理の民間大使>ローマのパオラ夫人が世界のシェフに持てはやされる状況には、ほっとさせるものがありました。

2022/05/22

ヨハネス

平成15年刊、図書館書庫に入っているので処分されぬうちに。トマトがイタリアに来たのはもちろん新大陸発見後だけど、そこから普及するまでの苦労が読み応えありました。逆輸入したアメリカでさえ受け入れられないとか、サンマルツァーノ種が絶滅していたとかの驚きの話がいっぱい。リンカーン、イングリッドバーグマンの話もなかなかの読み物、エピソード。種と皮はイタリア人は自然に除けてたのね。別の健康本で、種と皮が体によくないと記憶しているので。

2022/05/12

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