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不倫 (文春新書 1160)

不倫 (文春新書 1160)

不倫 (文春新書 1160)

作家
中野信子
出版社
文藝春秋
発売日
2018-07-20
ISBN
9784166611607
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「不倫 (文春新書 1160)」のおすすめレビュー

日本人の不倫率が高いのは、遺伝子のせい? 脳科学でゲス不倫を分析すると――

『不倫』(中野信子/文藝春秋)

 某芸能人の“ゲス不倫”が報じられて早くも数年が過ぎようとしている。芸能界、スポーツ界、政界などジャンルを問わず、多くの有名人たちの不倫報道がなされてきたが、昨今はその流れもやや落ち着いてきているようだ。

 しかし、世の中から不倫が消え去ったわけではない。最近では、「倫理に反している」のではなく、「恋愛しているのだ」という趣旨のもと、「不倫」に替わって「婚外恋愛」という言葉を使い、当事者自らの行為を正当に置き換える向きもあるようだ。

『不倫』(中野信子/文藝春秋)は、脳科学者である著者が、不倫と不倫バッシングについて、人の脳や身体のメカニズムから分析している。不貞と呼ばれる行為に及ぶ時、人の体では何が起こっているのであろうか。

■日本は「高い不倫率」と「強烈な不倫バッシング」の不思議な国

 著者はまず冒頭で、こう切り込む。

結論から言うと、今後の人類社会において、不倫がなくなることはおそらくありえないだろうと考えられます。

 とある調査によると、こと日本人においては、「配偶者以外の異性と親密な付き合いがある」または「愛撫や性交…

2019/1/22

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2人に1人は不倫の可能性がある!? 『サイコパス』の脳科学者が「不倫をやめられない理由」を解く!

『不倫』(中野信子/文藝春秋)

 政治にどんな事件が起こっていようが衆目を集める「強い」ニュースといえば、やはり不倫報道だろう。相手が誰だろうと、ひとたび発覚すればマスコミと世間が総出でバッシング祭り。度がすぎるほどに社会的制裁を受ける…のだが、それがわかっていてもなぜか「不倫」はなくならない。禁断の関係ほど燃えるとはいうものの、それだけでそんな多大なリスクを冒せるの?

 このほど登場した『不倫』(中野信子/文藝春秋)は、最新の脳科学や遺伝研究など科学的な領域から、そんな不倫にまつわる疑問に答えてくれる興味深い一冊。著者は脳科学者の中野信子氏。2016年の著書『サイコパス』(文春新書)はベストセラーであり、認知科学の最先端の研究業績を一般向けにわかりやすく紹介することには定評のある人物だ。これまでにも個人の性格や生育歴、心理面から不倫の謎に挑む本はあった。だが科学的な研究結果による事実を淡々と重ねながら迫るのは画期的だろう。客観的で説得力も抜群、しかも冒頭からあっさり「不倫はなくならない!」と断言してしまうのだ。

 実は最新の研究によれば、ある特定の…

2018/7/29

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子持ちのくせに不倫しまくり。突然の離婚宣告…エグすぎる不倫・離婚の実態

 報道から1週間経った今も東出昌大と唐田えりかの不倫騒動は収束する気配がなく、昨今、男女問わず、あらゆる芸能人の不倫報道が世間を賑わせている。どうして彼らは、不貞行為だとわかりながらも、不倫をやめることができなかったのだろうか。そして、不倫をされた側は、どんな心境でいるのか。不倫・離婚の実態がわかる記事をまとめてみた。

■人はなぜ不倫をするのか? セラピストが見た不倫の真実とその答えとは

『不倫と結婚』(エスター・ペレル:著、高月園子:訳/晶文社)

『不倫と結婚』(エスター・ペレル:著、高月園子:訳/晶文社)は、心理療法士である著者が、自身が関わってきたカップルセラピーの例を挙げながら、不倫がもつ役割を考察した一冊。

 私たちが、不倫という問題に直面したときに必ず疑問に思うのは「なぜそんなことをしたのか?」ということだろう。その問いに対しては、本書にはケースバイケースの答えが載っているが、特に納得されられるのは、「結婚や結婚相手に過剰な期待を抱きすぎたのではないか」というものだ。

 過度な期待は、結婚の動機にもなれば、不倫の動機にもなり、さらには離婚の動機…

2020/2/2

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不倫 (文春新書 1160) / 感想・レビュー

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ミカママ

直前に読んだ「脳科学系」の本で懲りた(笑)ので、こちらはまず著者についてググってみた。ふむふむ、東大大学院にて医学博士号を取得。フルフレッジですな、元MENSA会員、それなのに金髪(笑)。メモったのは、①一夫一婦制の結婚に向いていないタイプ(不倫遺伝子を持つ)が人口の半数程度いる ②バッシングの本質は 「トクしている人間 」への(僻み)社会的制裁。《ざっくりの結論》不倫はなくならないし、バッシングもまた同じ。男性の性行動に関してだけは、前回読んだアヤシイ著作と同じレポートを使ってるのが大変興味深かった。

2018/08/01

鉄之助

まるで中野信子 主演の「昼ドラ」、の番宣かと思わせる帯。だが、本文は脳科学の視点で分析され、いたって真面目で、面白かった。「不倫遺伝子」なるものがあったことも驚き。データをもとに「日本人は不倫率が高いのに、バッシングも強烈」というのも、まさに当たっている。今、あのお笑い芸人をこき下ろすのは、なぜなのか? その答えが明解で、ストンと胸に響いて腑に落ちた。”正常バイアス”のため、「絶対バレない」と思っている人ほどバレやすい!という。もし、事前に読んでいたら、あの人も、手痛い授業料を払わなくて済んだのに……。

2020/06/14

starbro

以前から気になっていた本書を、出版されて1年近く経っているのに、何故か図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。中野 信子、昨年読んだ「サイコパス」に続いて、2作目です。脳神経学、遺伝子学的に、不倫も不倫をバッシングすることも、おかしくないようです。但し、日本人男性の草食化が深更すると、近未来には不倫自体も消滅するかも知れません。【読メエロ部】

2019/06/30

utinopoti27

バレたら大きな代償を被る不倫は、なぜ無くならないのか。著名な脳科学者が専門的見地から解き明かすのが本書です。要するに、不倫は人類が進化の過程で獲得した、種の存続を図るための重要なオプションということらしい。しかも遺伝子レベルでは、人類の約半数は一夫一婦制に向かないタイプだとか。不倫はあくまで当事者の問題で、他人がとやかく言うべきことではないはず。ここは無理に押さえつけようとはせず、むしろ婚外子をサポートするほうが良いと思えてくる。少子化解決のカギはこの辺にあったりして。既存の倫理観へ大胆に切り込む快著だ。

2019/05/11

いたろう

脳科学者による不倫のメカニズム。人類社会から不倫がなくなることはない。なぜなら人間の脳の仕組みが一夫一婦制に向いていないから。と脳科学者に言われると、妙に説得力がある。一夫一婦制になったのも、不倫は悪という倫理観ができたのも、人類史から見ると最近のことであり、生物進化が倫理観の変化に追いついていない、人間に不倫を思い留まらせるのは、パートナーへの責任感や愛情ではなく、社会的制裁を恐れる気持ちだというのは、手厳しいが、ある意味、真理なのかも。いっそフランスのように婚外子が普通になれば、少子化問題は解決する?

2019/03/26

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