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天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書 1216)

天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書 1216)

天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書 1216)

作家
鈴木敏夫
出版社
文藝春秋
発売日
2019-05-20
ISBN
9784166612161
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「天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書 1216)」のおすすめレビュー

『君たちはどう生きるか』がアカデミー賞長編アニメーション賞に。ジブリの屋台骨 鈴木敏夫が語る天才たちの真実

『天才の思考』(鈴木敏夫/文藝春秋)

 宮崎駿と高畑勲。「子供だましの動く紙芝居」とバカにされていたアニメーションを、国が誇る文化にまで押し上げた二大巨頭だ。

 そんな彼らを、側で見守り、支え、時には導いてきた人物がいる。スタジオジブリの名プロデューサー・鈴木敏夫、その人だ。

 本書『天才の思考』(鈴木敏夫/文藝春秋)は、鈴木がアニメ業界で過ごした半世紀近い年月の思い出を語るクロニクルである。

 とはいえ、アニメ畑生え抜きの両巨匠とは違い、鈴木はほとんどもらい事故のような成り行きでアニメの世界に入った。なにせ、最初のキャリアは「週刊アサヒ芸能の記者」なのだ。ヤクザ武勇伝やセックス記事満載のあのアサ芸である。アニメとは程遠い世界で、時には警察に呼ばれたり、ヤクザに出刃包丁を突きつけられたりしながら記事を書いていたというのだから驚くほかない。

 だが、そんな修羅場を経験していたからこそ、あの2人と正面から対峙できたのかもしれない。鈴木が回想する宮崎と高畑の姿は、そう思わせるに十分なほど壮絶だ。

 超然と我が道を行くようで、実は細心な宮崎。徹底した合理主義者であ…

2019/5/31

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天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書 1216) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ぐうぐう

ジブリ史を高畑勲と宮崎駿、二人の監督の創作過程を柱に鈴木敏夫の視点から語る。まるでタイプの違う二人の監督が、ライバル心や、あるいは屈折した愛情ゆえ、相手を挑発しながら、自身の作品作りに生かしていく。そんな丁々発止のやりとりを、まるで漫談家のような鈴木のユーモア溢れる語りが大いに盛り上げる。個性的過ぎる高畑と宮崎がいて、なのにジブリが空中分解しなかったのは、ひとえに鈴木の存在があったからだ。プロデューサーとしての鈴木の才能は生半可なものではない。(つづく)

2019/06/09

akihiko810/アカウント移行中

ジブリの鈴木Pによる、スタジオジブリ社史。印象度A+  「天才の思考」と言うタイトルから、宮崎・高畑のふたりを語る本かと思っていたのだが、どちらかというとジブリ社史、ジブリ作品の制作秘話であった。が、滅法面白かった。いかに映画は宣伝と配給に労力かけないとヒットしない、とか、「風立ちぬ」は大ヒットしたにもかかわらず回収ライン越してないとか。一番大変だろうと思ったのは、高畑勲の扱い。「全然働かないけど、作品至上主義者」であり、金かかる、納期を絶対守らない、とP泣かせの人であった。いや、知ってたけど、

2023/03/14

ばんだねいっぺい

 ジブリの作品ごとに振り返る回想記。知ってのとおり、天才とは、高畑・宮崎両監督並びに著者の鈴木さんのこと。鉄火場というか、命がけで仕事に臨む生き方をしたい人たちが、それこそ火花を散らして作品へ結実させてくれてたんだよなぁと嘆息した。読みごたえ充分すぎるほど充分。

2019/08/17

Isamash

ジブリ代表取締役プロデューサー鈴木敏夫2019年発行の著作。高畑勲と宮崎駿の映画作りの実態と鈴木の作品への関与が語られてる。ナウシカの音楽を久石譲にしたのは高畑勲だった、トトロは当初1人の女の子だったが併映予定だった「火垂るの墓」への対抗意識で時間を延ばしたくて姉妹にしたらしい。千と千尋は鈴木のキャバクラでの引っ込み思案の女の子の成長話がヒントになったとか。映画プロデューサーの仕事を知らなかったが映画ストーリーまで関与してたことを初めて知った。また完璧主義者高畑勲の作品は殆ど見ておらず是非見たいと思った。

2022/12/24

ally

「ジブリ」誕生からその後日本を代表するアニメーション会社になるまで、制作の舞台裏をプロデューサーの鈴木さんがまとめたもの。ただただ「天才」たちの思考に圧倒される。宮崎駿さんの激しくも温かい人柄もすごくいい。一方、天才たちの陰でたくさんの人が身も心も削って働いていて、それを思うとちょっと苦しくなる。もちろんご本人たちも魂を削っているのだけれど。この本を読んで一番の天才は鈴木さんなんだなと感じる。どんな人にも対応できる能力に、人を正確に見抜く力。これはもう、後付けで身につけられるものではないと思う。

2022/11/01

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