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在宅ひとり死のススメ (文春新書 1295)

在宅ひとり死のススメ (文春新書 1295)

在宅ひとり死のススメ (文春新書 1295)

作家
上野千鶴子
出版社
文藝春秋
発売日
2021-01-20
ISBN
9784166612956
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「在宅ひとり死のススメ (文春新書 1295)」のおすすめレビュー

家で一人が幸せの真実。「おひとりさま」第一人者に学ぶ、死生観と家族問題

『在宅ひとり死のススメ』(上野千鶴子/文藝春秋)

 コロナ禍が長引くにつれ、胸に広がる漠然とした不安――。このご時世だ。離れて住む高齢の家族だけでなく、一人で生きることから死ぬことにまで考えを巡らせる人は多いのではないか。

 老いることが悪のように感じられ、「孤独死」のニュースはやたらと恐怖を掻き立てる。そんな暗澹たる雰囲気を晴らしてくれるのが、『在宅ひとり死のススメ』(文藝春秋)。著者は、2007年にエッセイ『おひとりさまの老後』を出版して、日本に「おひとりさま」という言葉を浸透させた社会学者で東大名誉教授の上野千鶴子氏だ。

「おひとりさま」と茶目っ気があって堂々と響くフレーズで、「独り身」の侘しいイメージをガラリと変えたように、ネガティブな想像をさせる「孤独死」とは反対に、自立した強さを感じさせる「在宅ひとり死」というフレーズが印象的な新著だ。

 同書は、上野氏の痛快な語り口が響くエッセイのような読みやすさがありながら、専門家ならではの論理とデータでわかりやすい解説が添えられ、現場の声をこまやかに拾い上げた取材でリアルな現実がまざまざと伝えられている…

2021/1/20

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在宅ひとり死のススメ (文春新書 1295) / 感想・レビュー

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こーた

施設に暮らす祖母がいる。看取り、といって、最期までそこで過ごすことになっている。ぼくら家族が決めたことだ。祖母自身は帰りたがっているし、そもそも入ることに積極的ではなかった。半ば騙すようにして移した。かわいそうだったとおもう。でも、あのときはほかに選択肢がなかった。そう断言できるし、今さら巻き戻すこともできない。介護する側される側、両者の言い分を思い出しながらこの本を読んだ。看る側は、いずれ看られる側へ回る。どう死にたいかを考えることは、どう生きたいかを考えることでもある。自分の家で死にたい。ぼくだって⇒

2021/07/28

いつでも母さん

かなりの田舎に暮らす私には車で4分の所に91歳介護2独居の母がいる。私もいつか一人になるのだろう。『在宅ひとり死』孤独死よりはずっと耳に優しい?ススメと言われてもそれぞれ経済力や環境・家族との関係等々色々あるよね。認知症になっても介護保険を使って?イヤイヤそう簡単にはいかないのよ、現実は!はい、上野千鶴子さんの考えは分かりました。一考にはなったけれど、私の思う最期とはちょと違う(当たり前かぁ)出来れば母の最期は家でと思うものの、自分の時は息子の重荷にならぬようにとだけを願っている。

2021/10/03

アキ

「おひとりさまの老後」から13年。著者も72歳の前期高齢者。自分事として考えると「孤独死」ではなく「在宅ひとり死」を提唱する。現在100歳超えの長寿者は日本で8万人以上、高齢者の独居率は2019年27%、高齢者夫婦33%と高齢者のみの世帯が5割を越える。同居より独居の方が高齢者の幸福度は高いため、この傾向は益々すすむ。日本独自のシステムである介護保険が始まって20年経ち、家族から介護サービスが移行してノウハウが蓄積されて来た今だからこそ在宅ひとり死が可能になる。介護保険を守ろうという著者の意見に賛同です。

2021/04/12

Ikutan

独居高齢者の生活満足度のほうが同居高齢者より高いという。これは、中流生活レベルにある高齢者を対象にした結果だそうですが、家族との軋轢を抱えたり、同居していても孤独を感じている高齢者の存在は想像に難くない。で、『おひとりさま』を提唱した著者が新たに提唱するのは『孤独死』に代わる言葉『在宅ひとり死』。安楽死に対しての否定的な意見は、そういう考えもあるのかと。介護保険については知らなかったことも多くて勉強になりました。まぁ、おひとりさまであろうがなかろうが、幸せな最期を迎えたいのは誰もが願うことですね。

2021/06/18

本詠み人

上野千鶴子さんは新作追っている著者さんです。分かりやすくキレのある文章です「あなたの人生で最も時間とエネルギーとお金を使ったのは、子育てでしょう?なのになぜ、自分の老後は子どもに背負える程度の負担を背負ってもらわないの」自分的にはまだ先の話だけど…私も子どもに負担をかけたくないと思うし、ボケたとしても1人でも気兼ねない家がいい。コロナ禍で生と死に尊厳を持つことがとても難しく感じる昨今。誰もがどんな状態になっても生きやすい社会へ向けて…今も闘う上野千鶴子さんがいました。

2021/12/04

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