血族 (文春文庫 や 3-4)
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血族 (文春文庫 や 3-4) / 感想・レビュー
Aya Murakami
通院先の病院(精神科)に置いてあった雑誌に紹介されていて図書館で手に取った本。 家族ではなく血族というタイトルがつけられているところに生物的な生々しさ(ドロドロさ?)を感じながら読みました。 ルーツを探る作者さんですが、おそらくその先に待つ結末は最初から分かっていたのでは…?なんて思います。中学のころから遊郭がらみの怖い夢をみていたようですし…。 それにしても昔の遊郭経営ってブラックなのですね…。遊女をほぼ物のように使い捨て。
2018/10/11
優希
自己のルーツを探すというのが主軸でしょうか。美貌の母親の一族を通して探るという手法が興味深かったです。読みにくさはありますが、己にまつわる環境を見つけていくのに引き込まれました。読んでよかったです。
2023/07/25
奥澤啓
ある本を再び読む。そうすると、いつ読んだか、どういう思いをいだいたのか、そんな事を一気に思いだす事がある。私にとってはこの小説が、そのうちの一冊である。「台のもの」という母親がよく使っていた言葉から話が始まる。さまざまな個性的な人たちが登場する。それら登場人物は何か強い絆で結ばれているらしい。山口瞳の母親の出自がぼんやりと輪郭を結びはじめる。やがて、母親静子は、横須賀の柏木田遊郭を営んでいた家族の娘であることが判明する。静子はひじょうに魅力的な女性に描かれる。ドラマ化もされた。ラストの情景を思いだす。
2014/12/27
yumiha
『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹)で紹介されていなければ、出会わなかった本書。私小説あるいはファミリーヒストリー。両親の結婚式の写真がなかった疑問から、自らのルーツを探し求めてゆく。多くの登場人物が出てくるので、途中で家系図を自作して読み進めた。そのルーツをたどる旅は母方の曾祖母ヱイへ突き当たる、その当時を偲ぶには「よそよそしく白茶けた大通り」が印象的だった。
2019/10/09
五月雨みどり
何度目かの再読。初読み時の衝撃に比べたらさすがに落ちるが,それでもグイグイ引き込まれて読んでしまって頁を繰る指が止まらない。NHKの『ファミリー・ヒストリー』は本書が元ネタなんじゃないだろうか(山口氏の母方の家のことは放映できるレベルじゃないかもだけど。秘しておきたい縁戚が多くて)。
2020/07/15
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