もっと広く 上 南米篇 (文春文庫 127-9)
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もっと広く 上 南米篇 (文春文庫 127-9) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
北米大陸からはじまった大釣行。これはそのラテンアメリカ篇(ただし、アマゾン篇は別稿)の前半。メキシコからヴェネズエラを経てコロンビアまで。メキシコ辺りでは残念ながらオフシーズンとのことで、満足な釣果を得られなかったようだが、コロンビアのバウペス川(アマゾン源流域の一つ)で、とうとう待望の13ポンドのパヴォン(バスの一種か)を釣り上げて、開高氏も大満足の体。自分では一生涯行きそうも無い所(なにしろ強烈なダニとマラリア蚊、その他を覚悟しなければならない)だけに、写真を伴ったこうした本を憧憬の目で眺めるのみ。
2018/11/23
ゆいまある
南北アメリカ大陸をトヨタ車で走り、釣りをしながら縦断する旅、南米編。メキシコ、ベネズエラ、コロンビア。シーズンが合わなくてなかなか釣れない。海外でこれを読んだが、インターネットも無い時代、情報もなく、知り合いのいない場所を旅するのはどれだけ心細かっただろうと思う。あっという間にスペイン語が上達していく開高さんの語学力や、博識、詩的な表現に舌を巻く。貧しくてもたくましく生きてるベネズエラのおじさんや、アンデス山脈を命からがらランドクルーザーで抜ける場面など、細部まで壮絶ながら生き生きと語られている。
2019/05/06
さっと
さて。いよいよ南米大陸である。このシリーズ後半ではたびたび言及されていることで、北米大陸ではじっくりニューヨークを瞥見することなどできたわけだが、当地ではとにかく連載のためにカンヅメになって旅行会社の広告を彩る観光地とは無縁の生活を送っていたようでかなりグチが多くなる。何かやつらに復讐する手だてはないだろうか、というところから、王朝のたたりとしてまことしやかに伝わる「モクテスマの復讐」なる旅人の通過儀礼が下痢という小噺から。続く「昼下がりの情事」もモテモテ庶民源氏の南米風俗が秀逸。表紙はピーコックバス。
2018/11/11
東森久利斗
半ば子供の脳を持った大人衆と 半ば大人の脳を持った子供衆と そういう私自身のために。 原始の花火。
2022/11/16
あきこ
「もっと遠く」の続編。北米から始まった釣りの旅、本書からメキシコに入る。北米に対して南米の自然、生活なども描写されていて、楽しめる。なんて貧しいことよ。また13ポンドの魚を釣り上げたことなど釣りの旅も波瀾万丈である。楽しい。
2014/07/18
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