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珠玉 (文春文庫)

珠玉 (文春文庫)

珠玉 (文春文庫)

作家
開高健
出版社
文藝春秋
発売日
1993-01-10
ISBN
9784167127114
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あらすじ

青い海の色をしたアクアマリン──床にオガ屑を撒いた酒場で出会ったのは、海で行方不明になったらしい息子を探し続ける医者だった。赤い血の色をしたガーネット──渋谷の中華料理屋の主人が貸してくれた宝石は、スランプだった「私」に赤い色にまつわる記憶を呼び覚ます。乳白色の月の色ムーン・ストーン──その石を手に入れたときから、心に生まれた白い核。若き女性編集者と情事を重ねながら、その核心を追い求める「私」。三つの宝石に託して語られる、作者絶筆の三部作。

珠玉 (文春文庫) / 感想・レビュー

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さんきち

宝石にまつわる遺作短編集。豊富な語彙と美文の名調子を堪能。『一滴の光』では、不倫旅行先の露天風呂にて「まだ果たしていない、生まれて初めてのこと」を懇願される女。(さあ!どうする、どうする。。。)~巨匠の、こんな色っぽい話も格調高いなぁ。

2016/04/18

キムチ27

筆者の絶筆とある。学生時代、私には「冒険家」としての認識しかなく、付き合っていた人にエッセーの素晴らしさを教えられながら辿り着けなかった。巻末解説が又良い・・佐伯彰一氏。アバウトな私の理解に付箋を付けてくれるように道標を立ててくれる。開高氏没後20年余り、その軌跡を俯瞰するとヘミングウェイに重なる・・らしい。確かに!その分析が面白い。3つの短編は文字通り、珠玉。個人的に「一滴の光」に打ちのめされる。男は最後まで男でありつつ逝く(人もある)とは!生涯のサミング・アップ=「浄福」・・エロスの極みでした。

2015/05/05

奥澤啓

開高健の白鳥の歌。掲載号「文学界」発売直後にとびつくように読んだ。透明感、諦観、静謐さに感じるところがあった。「開高さんが危ない!」。ほどなくしてテレビで訃報が報じられた。私は晩年の開高さんの知遇をえた。僥倖以外のなにものでもない。しばらく関心を向けない日が続いていた。どこかの山の湖で釣りをしているのだろうと思っていた。本がでることもなかった。師走のはじめ、新聞広告の 開高健「珠玉」という文字がとびこんできた。その直後の訃報であ った。白鳥の歌の予感があたってしまった。あの日を永久に忘れることはない。

2015/01/07

さくらうさぎ

アンチエイジングとかいうオカルト的妄信行動をせせら笑う体をとりつつ、日々に老いを発見する度に全力抗戦を試みてしまう私であるが、じたばたしているうちに角が取れたり欲が枯れたりすることは実は幸せなんでないか、と思い至る。晩年は旅を釣りを酒を食を謳歌していた筈の著者の綴る文章が少しも幸せそうじゃなくて、漂泊しながら沈殿する我個の足掻きに、抜け出せない闇を感じた。 もしあと1年早く読んでいたら、ただ筆が巧いだけの気取った欲深親父と認識していたかもしれない。この時この作家に出会えたことは僥倖だった。

2016/11/24

nekokokochi

石をめぐる想念の旅を三篇。おそらく作者であろう主人公が旅先で出会った光景、人々を切れ切れに映し出す。記録映画を見ているようでどこにフォーカスを当てるか、光のあたり具合、シーンごとに作者の意図がおりこまれ、ときに高揚したり絶望したり、開高健のなせる筆の技はとにかくすごい。見たこともない景色なのに私の中にすっかり刻み込まれてしまったよ。三篇目はいっきに具体性が増してポルノ小説(?)でがっかり。思わず「世界一周」をググったけど。

2012/11/23

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