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新装版 あ・うん (文春文庫)

新装版 あ・うん (文春文庫)

新装版 あ・うん (文春文庫)

作家
向田邦子
出版社
文藝春秋
発売日
2003-08-01
ISBN
9784167277208
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新装版 あ・うん (文春文庫) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

読書仲間から「面白いよ」と拝領。向田作品初読にして、著者唯一の長編小説。戦前日本の男の友情と女性をめぐる葛藤を描く。つましく陽気な転勤族の仙吉、片や軍需景気で羽振りの良い金属会社社長の門倉は『あ·うん』の間柄。それは神社の鳥居に並ぶ一対の狛犬のよう!冒頭引っ越してくる仙吉のために風呂を炊いて待つ門倉の思いやりが光る。互いの妻や家族等も交え『男の友情』が瑞々しく生き生きと紡がれるのだが、作者は女性。そこは観察眼鋭い脚本家ならではか?美しく素敵に生きた女性ですね!曰く「神様に嫉妬された」不幸が残念です‼️🙇

2019/02/16

じいじ@衣替え・減量中。

 久々の向田作品、やっぱりいいですねぇ。昭和の匂いが懐かしさを呼び戻してくれます。仄々とした家族の温もりが伝わってきます。中年働き盛りの男二人(門倉修造と水田仙吉)の友情と修造が秘かに想いを寄せる仙吉の女房への淡い恋の物語。手も握らない「好き」の一言も言えない…純情さ。まさに、肉欲を排した「精神的恋愛」である。「来世は、お前と女房が夫婦になれ!」と修造へ向けた、仙吉のひと言は可笑しくて泣かせます。笑いあり、涙あり、そして感動ありの家族小説。いまでも新鮮さを失うことなく愉しませてくれる向田邦子はスゴイです。

2016/08/06

ken_sakura

とても良かった。面白いヽ(´▽`)/人は面倒くさくていい加減、とユーモラスに陽性。書き過ぎない塩梅が好き、著者に感じの強さと大らかさが両方感じられて読むことがとても楽しい。月給取りの水田仙吉と中小企業の社長門倉修造の神社の鳥居に並んだ一対の狛犬阿吽のような友情、その間に仙吉の妻たみがいて、三人から学ぶ仙吉の娘さと子がいる。太平洋戦争をひかえた時期の東京を舞台にした友情、恋愛、家族小説。禮は礼の旧字。おもしろ本棚の先輩にお薦め頂いた本、感謝。

2018/12/02

めしいらず@秋眠中

大人の男も女もみんな肚の中に人に見せられない本音を溜め込んでいる。でもそれが日の目を見ることはない。隠していることで保てる人間関係、愛情や友情におけるその微妙なバランスを心得ているからだ。互いの肚の中に溜め込んだ思いを、互いが知り過ぎるくらいに知っているのに、誰もが素知らぬふりで付かず離れずにいる切なさやおかしさと、それだけでは言い表せないような心の機微。「みすみす実らないと判ってたって、人は惚れるんだよ」。誰も彼も人生の悲喜劇を演じるピエロのように、その一コマ一コマの中で泣き、笑い、懸命に生きていた。

2017/04/19

しいたけ

時代は違えど懐かしい気持ちで一杯になる。元々俺が好きだったのにとられちゃったと何時までも甘ったるく母を名前で呼ぶ父の親友がいたり。家族ぐるみの付き合いの父の友人の奥さんが父に迫り、それを父が母に打ち明けたもんだから母が怒って大騒ぎとか。洋行土産に母とお妾さんに全く同じバックを買って来たことがバレて大喧嘩とか。小学生の私がこっそり覗き見ていた大人の滑稽さ、融通の利かなさ、不器用すぎる気持ちのぶつけ方、照れで小出しの純情。同じ匂いがたくさん詰まった本だった。大人っていいなあ、素敵だな。人を思うって素晴らしい。

2016/02/24

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