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新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20)

新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20)

新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20)

作家
向田邦子
出版社
文藝春秋
発売日
2003-08-01
ISBN
9784167277208
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新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

読書仲間から「面白いよ」と拝領。向田作品初読にして、著者唯一の長編小説。戦前日本の男の友情と女性をめぐる葛藤を描く。つましく陽気な転勤族の仙吉、片や軍需景気で羽振りの良い金属会社社長の門倉は『あ·うん』の間柄。それは神社の鳥居に並ぶ一対の狛犬のよう!冒頭引っ越してくる仙吉のために風呂を炊いて待つ門倉の思いやりが光る。互いの妻や家族等も交え『男の友情』が瑞々しく生き生きと紡がれるのだが、作者は女性。そこは観察眼鋭い脚本家ならではか?美しく素敵に生きた女性ですね!曰く「神様に嫉妬された」不幸が残念です‼️🙇

2019/02/16

KAZOO

向田さんの随筆はいくつか読んでいるのですが、小説は初めてです。7つの連作短編集とは言いながらひとつの長編となっています。この題名の「あ・うん」とあるように戦場仲間の友人がお互いの気持ちを忖度しあっていますが、そこに両者の家族や愛人あるいは娘・父親や双方の奥さんの関係がつながってえも言われぬ話が楽しめます。最後近くで仲たがいのようなことも起きますが最後は・・・。これが戦時中の話とは思われませんでした。

2023/01/16

じいじ

 久々の向田作品、やっぱりいいですねぇ。昭和の匂いが懐かしさを呼び戻してくれます。仄々とした家族の温もりが伝わってきます。中年働き盛りの男二人(門倉修造と水田仙吉)の友情と修造が秘かに想いを寄せる仙吉の女房への淡い恋の物語。手も握らない「好き」の一言も言えない…純情さ。まさに、肉欲を排した「精神的恋愛」である。「来世は、お前と女房が夫婦になれ!」と修造へ向けた、仙吉のひと言は可笑しくて泣かせます。笑いあり、涙あり、そして感動ありの家族小説。いまでも新鮮さを失うことなく愉しませてくれる向田邦子はスゴイです。

2016/08/06

エドワード

戦前の東京の二つの家族。勤め人の水田と会社社長の門倉。二人は不思議と気があった。特に門倉は何かと水田の一家の世話を焼く。昭和の人々の暮らしの細々とした模様が流れるような文章で表されていて、懐かしく、味わい深い。だが、穏やかなようでいて、それでも男と女。時代は違っても、愛憎が渦巻く様は変らない。静かなだけに、ねっとりと隠された感情が丹念に表現されている。娘のさと子の視点が作者に一番近く、新しい時代を象徴しているように感じられた。

2011/08/31

ken_sakura

とても良かった。面白いヽ(´▽`)/人は面倒くさくていい加減、とユーモラスに陽性。書き過ぎない塩梅が好き、著者に感じの強さと大らかさが両方感じられて読むことがとても楽しい。月給取りの水田仙吉と中小企業の社長門倉修造の神社の鳥居に並んだ一対の狛犬阿吽のような友情、その間に仙吉の妻たみがいて、三人から学ぶ仙吉の娘さと子がいる。太平洋戦争をひかえた時期の東京を舞台にした友情、恋愛、家族小説。禮は礼の旧字。おもしろ本棚の先輩にお薦め頂いた本、感謝。

2018/12/02

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