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怪しい来客簿 (文春文庫 い 9-4)

怪しい来客簿 (文春文庫 い 9-4)

怪しい来客簿 (文春文庫 い 9-4)

作家
色川武大
出版社
文藝春秋
発売日
1989-10-07
ISBN
9784167296049
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和嶋慎治(人間椅子)「人の弱さやずるさを責めない。色川文学は僕にとっての救いです」

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、人間椅子の和嶋慎治さん。 (取材・文=朝宮運河 写真=河内 彩)

デビュー30年を超えて新たな黄金期を突き進むバンド・人間椅子。ギター&ボーカルの和嶋さんは大の読書家としても知られる。お気に入りの一冊は『怪しい来客簿』。阿佐田哲也のペンネームでも活躍した鬼才・色川武大の短編集だ。 「物の見方が独特ではっとさせられます。たとえば色川さんは山が怖いと書く。どの山も『異常であり、凶相に見える』というんです。常識に囚われない感性は他の誰にも似ていない。色川さんの本は阿佐田名義も含めてほとんど読んでいます」

色川作品とはどのように出会ったのだろうか。 「『週刊少年マガジン』に連載されていた『哲也 雀聖と呼ばれた男』というマンガにはまって、阿佐田哲也さんの原作『麻雀放浪記』にも手を伸ばしたんです。面白くてびっくりしました。悪人が生き生きと、人間らしく描かれていてピカレスク・ロマンの傑作だと思いました。そこから阿佐…

2021/8/14

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怪しい来客簿 (文春文庫 い 9-4) / 感想・レビュー

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ω

味わい深いなぁ〜ω 色川先生の周辺に現れ、通り過ぎて行った人びと。町で出会うちょっと変わった人たち「名なしのごんべえ」父と墓を探しに故郷へ戻る「墓」先生の胆石手術記録「たすけておくれ」 この辺りはまた読みたいω

2022/03/05

キジネコ

面白い本です。泉鏡花伝に触発されて本棚サルベージで再会。何気に向田邦子さんの文章を思い出していました。柔らかで独特のリズム…大変心地よい読書で、調べてみれば御二人は同年生まれ。無頼の精神を考えました。「亡くなった叔父が頻々訪ねてくる…」で始まる「墓」や「ふうふうふう」が良いけど、どの文章にも忘れていた情趣があり、得難い味わいがある。極めて不器用な処世なのに悲哀の重さを読者に伝えずに語る文章の流麗を感じました。語彙が豊かな奥行を与えてくれます。不安を抱えながら「懐中を叩く」事を止められないと作家は己を嗤う。

2018/06/26

こばまり

【再読】この方の白昼夢のような文章が好きで時々手に取る。あまり耽溺するとそのまま向こう側へ連れて行かれそうになるので程々にする。異形の人も死人も日常も妄想も同じ地平線に佇んでいる。

2016/05/18

hanchyan@連戦連勝の前には必ず負けがある

語り手の「私」が子供の頃に出会った奇矯な人物や、贔屓にしていた力士・芸人・歌手などなどについて語られる連作集。一種のエッセイなんだろうが、およそ平凡とは言いがたい人びとに対する「私」の感興に耳を傾けていると、冷徹と温もりを併せ持って矛盾しない「私」という個性が立ち現れ、私小説でもある。その「私」こそが、空前にして絶後、まさに唯一無二の存在・色川武大なのだ。行間から滲み出る凄みが半端ない。言わずもがなだが傑作。

2024/01/08

あんこ

(記念すべき400冊目)カワカミさんの本に出てきてから気になっていたこちらの本。読んでよかった。戦中から戦後にかけてからの話だからか、独特の暗さがあるのに、悲壮感はなく、むしろ下の方(あるいは世間の片隅)から淡々と見守るようなやさしさがあった。時折皮肉めいていながらも、付き添われているようなやさしさ。この優れた人間観察は、色川さんが世間から一歩引いたところで人々を見ているからなのだろうなあと思いました。ときどき、涙腺が揺らいだりもした。

2015/01/21

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