あなたと読む恋の歌百首 (文春文庫)
あなたと読む恋の歌百首 (文春文庫) / 感想・レビュー
❁かな❁
とっても素敵な恋の歌ばかりでした♡俵万智さんが百人の歌人がうたった恋の歌をご紹介して下さり、俵さん流の解釈をして下さってます!与謝野晶子さん等、昔の歌人から穂村弘さんまで掲載されていて幅が広いです!俵さんの解説でより、それぞれの短歌の良さが深まり素敵に感じます★お気に入りをいくつかご紹介♪『観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生』『君がふと冷たくないかと取りてより絡ませやすき指と指なり』『指からめあふとき風の谿は見ゆ ひざの力をぬいてごらんよ』『朝の階のぼるとっさに抱かれき桃の缶詰かかえたるまま』
2014/11/16
しいたけ
俵万智が選んだ百通りの恋。寝しなに一首、寝惚けまなこで一首、湯が沸くまでの一首、電車が来るまでの一首と、暮らしの隙間にそっと人様の恋に触れてまいりました。雷に打たれるように圧倒される恋、しみじみと共感する恋、肩をだいて慰めたくなる恋、息をのむ男の純情、街中の情景、広がる自然に放り込んでくれる歌。31文字が与えてくれる悠久の旅路。読み終えた気がしません。ずっと側に置きたいと思います。野田秀樹のあとがきが素晴らしい。「リハビリは終わった。歌を捨てて恋をしよう。」
2016/04/03
p.ntsk
再読。「いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり」(浅井和代)人生の真実を歌ったような短歌。「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)」(栗木京子)切ない歌です。でもこれも恋愛の真実かな。「私をジャムにしたならどのような香りが立つかブラウスを脱ぐ」(河野小百合)一番のお気に入りの短歌です。
2014/12/29
ヴェネツィア
主として現代の歌人たちの歌から選ばれた、恋の歌百人一首+1首(選者自身の歌)。歌の巧者、鑑賞の巧者、そして恋の巧者、俵万智さんの軽快にして、なかなかに本質をついた解説も楽しい。また、初めて見る歌や、これまで注目してこなかった歌人の歌などもあって、拡がりも得られた。
2012/04/23
torami
とてもいい本で、韻文を楽しむためのヒントをいくつも頂いた。 一つは作者をよく知ること。ひととなりがわかった上で読むと、途端に愛着がわく。自分の思いをなんとか31音にのせようとする姿がいじらしく思えてくるのだ。 もう一つは、解釈は自由でいいこと。掲出歌をまくらに、俵万智さんの話はあちこちへ広がっていく。歌を読んで思い浮かべることは人それぞれであって当然で、小説よりも幅は広い。歌の懐の広さを楽しむ余裕を持って、途中で諦めた本棚の歌集にまた挑戦しよう。
2018/09/08
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