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西日の町 (文春文庫)

西日の町 (文春文庫)

西日の町 (文春文庫)

作家
湯本香樹実
出版社
文藝春秋
発売日
2005-10-07
ISBN
9784167679590
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あらすじ

名作『夏の庭』の作家の新境地

少年の日、西の町で暮らす母と僕のアパートに「てこじい」がふらりと現れた。祖父の生涯と死、母の迷いと哀しみを瑞々しく描く

西日の町 (文春文庫) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★☆☆でか字で行間が広いし、ページ数が少ないので一気読み。表面上はじいさんと周りにいる身近な親族の話ですが奥が深い内容でした。これ読んだら思い出しました。当方、前に大先生の所に行ったんです。(先生、年取ったな〜)そのとき、次に行く場所迄の道が分からないという話を先生にしたら「地図を書いてやる」と。先生「この道を行くと十字路がある。」と、大きく波打った線を引く。「先生?この道は曲がりくねってますが険しい山道ですか?」「ばかもん!わしゃ手が震えて真っ直ぐ線が引けんのじゃ!」あ〜失礼な発言やらかした〜!

2016/10/15

SJW

かつての北九州小倉を思わせる町で、夕日の当たるアパートに母と二人で住んでいた少年の頃の思い出を、大学教授が綴っている。登場人物は母とホームレス同然のこてじいと呼ばれる祖父、地図会社に勤める叔父さんだけ。結局、子供と老人の死というお馴染みのテーマだが、迷惑ばかりかけるこてじいに母親は見放さず、愛情をもって看取る姿はとてもいじらしく、清々しい気持ちになれた。あの高度成長期の西日の当たるアパートを映画で見たような気がする。

2018/11/30

KAZOO

湯本さんの4冊目の本です。主人公の幼少の頃の思い出を語っています。母親とその父親との同居などの話からかなり生活としては苦しかったものの、日本の戦後から数年たったころの生活をうまく書いています。距離感のある関係のような気もしますが、雰囲気的には悪くはなくこのような家族の在り方もある、ということを主人公が懐かしんでいる気がしました。

2015/11/18

新地学@児童書病発動中

地味だが西日の町という題はこの物語をよく表している。沈んでゆく夕日の美しさと物悲しさが全編を支配している。それから街ではなく町。高層ビルが立ち並ぶところではなく、人々の息遣いが感じられる昭和の町で、祖父と母と10歳の僕は暮らす。祖父は侵入者のようにやってきて、おじいちゃんではなく「てこじい」と呼ばれる。僕の目から見たてこじいは、頑固でちょっと不気味だ。それでも優しさを心に秘めていることが分かってくる。てこじいが傷心の母を慰めるために取った行動は、武骨だが父親らしいもので涙がこぼれた。読者の胸を打つ傑作。

2016/09/07

HIRO1970

⭐️⭐️⭐️⭐️湯本さんは4冊目。安定した力に毎回驚かされます。季節物3冊の後が西日となりました。日本でも50年代位までの話を聞くと居候だったり、書生みたいな預かりだったり、よく分からない立場の人が家の中をウロウロしています。日本は核家族化で壊れてしまいましたが、東南アジアの家では今でもそうで、何回お邪魔しても覚えられない程、親戚の親戚あたりが家の中をウロウロしています。作者のテーマと思われる老人と子供は今回も鉄板ネタでしたが、気になるほど類似点は無く楽しんで読めました。利害関係の薄い緩い絆がキーかな。

2016/09/09

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