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「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 一九七二 (文春文庫 つ 14-1)

「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 一九七二 (文春文庫 つ 14-1)

「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 一九七二 (文春文庫 つ 14-1)

作家
坪内祐三
出版社
文藝春秋
発売日
2006-04-07
ISBN
9784167679798
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「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 一九七二 (文春文庫 つ 14-1) / 感想・レビュー

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ヨーイチ

筆者は坪内祐三でまとまったものは初読。雑誌のコラムなどで好印象は持っていた。因みに小生より二歳年下でほぼ同じ。という訳で坪内の紹介する膨大な「1972年周辺の出来事」が気持ちがいいほど頭に入ってくる。主だったところで連合赤軍・浅間山荘、ロックバンド来日、アイドル、日本のロックとフォーク、ぴあ創刊、横井さんの発見と帰国、などなど。こうしたトピックスを挙げながら筆者は注意深く、1972年が「ある区切りであった」と主張する。執筆が21世紀の初頭なので若干古いともいえるが  続く

2017/05/06

ぐうぐう

坪内祐三がいかに連赤事件を解読しているのかを知りたくて読み始めたのだが、そもそもこのコラムは、1998年の暮れ、学歴も教養もある若者が三億円事件を知らなかった事実に直面したことがきっかけで始まる。歴史の断絶はどこで起こったのか。坪内はそれを1972年と特定する。なぜその断絶が起こったのか。現代の若者にも伝わるようにコラムが始まったのが2000年。1972年時、14歳だった坪内の個人的な思い出も積極的に取り入れながら、プロレス、ポルノ、ロック、「ぴあ」などなど、当時の世相を解読していく。(つづく)

2017/04/02

白義

「はじまりのおわり」であり「おわりのはじまり」というのは意味深なタイトルだ。地を這うような視点で再構成される当時の空気感と、遡及的に今から見出だされる意味を丹念に描いた労作。政治、ロック、ポルノと当時の世相を改めて蘇らせることで、現在と繋げ、歴史にする。熱気とそうした落ち着きがどこか1972という年自体のイメージとかぶさっている気がする。坂口弘があさま山荘でニクソン訪中の報を目にした場面は鮮やかであり、象徴的な一瞬でもある

2012/05/21

勝浩1958

世のなかに起こった事象を他の出来事と結びつけて読み物に仕上げる手腕はさすがですね。浅間山荘事件のTV画像はいまでも忘れられません。南沙織の可愛かったことも覚えています。私は『慶応三年生まれ七人の旋毛曲り』文庫版を読んでからのファンで、『靖国』も楽しく読みました。この種の作品類はたいへんお気に入りです。あとがきにあるように坪内氏はこの三作をもって、日本近代三部作と考えられています。五部作、七部作、九部作と続けていくつもりと仰っていますので、楽しみに待つことにします。

2014/04/11

Masakazu Fujino

私より3歳下で急逝した著者が書いた一九百七二年をテーマにした時代評論。2003年発刊、懐かしく読んだ。

2020/09/26

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