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ダブル・ファンタジー 下 (文春文庫 む 13-4)

ダブル・ファンタジー 下 (文春文庫 む 13-4)

ダブル・ファンタジー 下 (文春文庫 む 13-4)

作家
村山由佳
出版社
文藝春秋
発売日
2011-09-02
ISBN
9784167709044
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「ダブル・ファンタジー 下 (文春文庫 む 13-4)」のおすすめレビュー

“待ちきれない!”と、特報動画は異例の再生回数 村山由佳の衝撃作『ダブル・ファンタジー』 WOWOWで6月16日(土)放送スタート!

 情報解禁で公開されるやいなや、驚異的なスピードで再生され続けている特報動画。“映像化不可能”と言われていた『ダブル・ファンタジー』のドラマ化作品がついにベールを脱ぐ。あの過激な性愛シーンをどのように表現したのか、インモラルなテーマをどう描いたのか……第1話は無料放送! WOWOWならではの挑戦が光る、官能の世界を堪能してほしい。

「どこからが人間を深く掘り下げることになり、どこからが、ただの官能、ポルノになってしまうのか。この小説を書いているとき、ずっとそのことについて考えてきました」

 みずからの殻を破るように執筆した自身初の官能小説『ダブル・ファンタジー』。性愛を突き詰めていった描写には、そうした逡巡があったと、村山由佳さんは語っている。

「初めてお会いしたとき、御法川監督はこうおっしゃったんです。“裸をいくら衝撃的に出しても視聴者はすぐ慣れる。その衝撃度で勝負するのではないエロス、内面が現れる性愛のシーンを描くのが肝である”と。そこに問題意識を持ってくださっている監督の姿勢は、原作者にとって本当に安心できるものでした」

 地上波では映像化困難と…

2018/6/8

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水川あさみ主演でドラマ化『ダブル・ファンタジー』。「性」を追い求めた女性脚本家は、最後に何を見つけ出す?

『ダブル・ファンタジー』(村山由佳/文藝春秋)

 今夏、水川あさみの主演で実写ドラマ化されることが決定した『ダブル・ファンタジー』(村山由佳/文藝春秋)。本作は、恋愛小説の名手として知られる村山由佳による、「大人の性愛」を真正面から描ききった衝撃作だ。2009年に発表され、「第22回柴田錬三郎賞」「第4回中央公論文芸賞」「第16回島清恋愛文学賞」をトリプル受賞。2003年に「第129回直木三十五賞」を受賞した『星々の舟』(文藝春秋)とともに、作家・村山由佳の代表作といっても過言ではないだろう。

 本作の主人公となるのは、35歳の女性脚本家・高遠奈津。夫・省吾とともに田舎に暮らす彼女は、日々原稿と向き合い、創作活動に励んでいる。しかし、次第に大きくなっていく省吾からの抑圧、そして誰にも言えない苦しみ。このままでは作家としてダメになることを感じた奈津は、恩師である演出家・志澤の助言もあり、自由を求めて家を飛び出すことを決意する。

 奈津を苦しめていたものの正体、それは「性への欲望」だ。省吾に抱いてもらえないこと、抑えきれない欲求、それを認識せざるを得ない…

2018/4/15

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水川あさみ「良い意味での不快感を」 村山由佳の衝撃作『ダブル・ファンタジー』実写ドラマ化

『ダブル・ファンタジー』上(村山由佳/文藝春秋)

 村山由佳の官能ラブロマンス小説『ダブル・ファンタジー』の実写ドラマ化が決定。女の“性”を真正面から描いた同作の実写化に、ファンからは「めちゃくちゃヤバイ作品になりそう」「有料放送ならではかも。心に刺さるやつお願いします!」と期待の声が続出中だ。

 同作は、「第22回柴田錬三郎賞」「第4回中央公論文芸賞」「第16回島清恋愛文学賞」をトリプル受賞した衝撃作。物語は“性愛”を突き詰めた内容となっており、35歳の女性脚本家・高遠奈津の生き様が描かれている。

 不倫と性描写が話題となった原作には、「心の動きが丁寧に書いてあるから主人公に感情移入しやすい」「30代半ばでこのままでいいのかと考えた奈津の気持ちがよくわかる」「女性作家が描いているからこそ容赦なく、ただの不倫小説で終わっていない。欲望を解放することで揺れる女が、ものすごく等身大だった」と30代から40代の女性を中心に共感の声が。

 主人公・奈津を演じるのは、今年奈津と同年齢を迎える水川あさみ。水川は「女というものがもろに表立った作品」と感じているよう。…

2018/3/11

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ダブル・ファンタジー 下 (文春文庫 む 13-4) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

下巻は上巻よりも一層失速の感が否めない。これでは全体として恋愛文学としても、また官能小説としてもおよそ成功からほど遠いと言わねばならない。「週刊文春」での連載だが、作家自身にも当初はそれ相応の意気込みがあっただろう。だが、残念ながらそれが空回りする結果に終わったようだ。最大の欠点は、主人公を含めて登場人物たちの役割が固定されており、それぞれがステレオタイプの域を出ていないことだ。また、表現が安直に過ぎるのも大きな欠点。例えば奈津の言葉「私と―友情のエッチ、しませんか」なんて、中学校の演劇部でも使わない。⇒

2018/05/14

さてさて

『ここまで来た以上、もう後戻りはしない』と強い思いを自らの行動の先に抱く主人公の奈都。そんな奈都が『官能』の快楽の世界に身を委ねていく様がこれでもかと描かれるこの作品。上巻を圧倒する濃密な『官能』シーンの連続に危うく放心しそうにもなるこの作品。しかし、読み終えて感じるなんとも寂しい感覚に主人公・奈都が背負う人生の寂寥感を感じました。そんな奈都の感覚をまさかのジョン・レノンとオノ・ヨーコの「ダブル・ファンタジー」に重ねるこの作品。一冊の作品の中で人の心の根底にある感情に鮮やかに光を当てた、そんな作品でした。

2022/04/25

相田うえお

★★☆☆☆18095 下巻開始の章からブツブツ言いたくなるわけでして「よぅ、お奈津さんよー、さらに 先輩に、坊主に、役者かい!おいおい、もう〜いい加減にしな!でなきゃ、空手チョップと16文キック同時にお見舞いするよ〜!」ってなる〜。いや〜 家を飛び出した理由など何処に行ったものか。まあ上巻から苛々する話なわけですが、下巻も殆どその延長のままページが流れていきます。旦那さんもなんだかなぁ〜。まあ、皆んなが納得してるならいいのか。読後感は「やれやれ」ですね。やっぱり、猫の環ちゃんがいちばんまともだと思うんだ。

2018/10/17

hiro

脚本家の主人公・奈津以外登場する女性は、ほぼ編集者の杏子だけで、妻子ある男性と不倫関係になっても妻たちは登場せず、男女の問題以外煩わされるものがほぼない奈津と男性たちとの関係を描いた官能小説。奈津は登場する男性の多くと男女の関係となっていくが、そのなかでモラハラの夫・省吾だけでなく、師匠的な存在の演出家・一狼太、大学時代のサークルの先輩・岩井から、次々と脱皮するように解放されていく姿が描かれている。このように解放されていく奈津には、若干鼻白むところもあるが、解放された脚本家・奈津を続編で見たい気がする。

2018/07/03

のぶ

下巻に入っても奈津は志澤との関係を続けていく。その後テレビの取材で訪れた香港で、学生時代の先輩、岩井と出会う。仕事を一緒に行いながら、奈津は結局岩井とも関係を持ってしまう。下巻では性描写がとても多く、その大半がそうだという気もしてくる。奈津はなぜそこまでして男を漁るのか?単に性欲が強いだけなのか、愛に飢えているのか?それにしては夫の省吾と何不足ない生活を送っているように思える。男性の自分には奈津の気持ちが理解しづらかった。今、手元に続編の「ミルク・アンド・ハニー」があるので引き続き読んでみたい。

2018/07/12

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