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アンノウン (文春文庫 こ 38-1)

アンノウン (文春文庫 こ 38-1)

アンノウン (文春文庫 こ 38-1)

作家
古処誠二
出版社
文藝春秋
発売日
2006-11-10
ISBN
9784167717094
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ジャンル

アンノウン (文春文庫 こ 38-1) / 感想・レビュー

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hit4papa

自衛隊基地内で起きた盗聴事件を調査する、若き自衛官とカフェイン中毒(!)のエリート調査官。絶対的に侵入困難な隊長室に盗聴器を仕掛けた手法とは。自衛官出身の著者ならではで、自衛隊のホントに触れられる変わり種ミステリです。主人公は、自衛官としての存在意義を見失ってる主人公の設定で、一般市民の感情とは別のところにある彼の思いそのものが興味深いですね。盗聴が軍事目的とすれば、国家の一大事。即席バディは、盗聴の方法と、その目的を探り出すことができるのか。事件の顛末は、自衛隊の組織としての在り方にも踏み込んでいます。

2021/07/26

かっぱ

【図書館】強度のカフェイン中毒であろう朝香二尉の「コーヒー飲む?」という言葉がしばらく頭から離れそうにない。いいキャラクターだ。元自衛官の作者による自衛隊ミステリー。これいつの時代?と思われるような古い表現が出てきたり、少し癖のある文章が気になったが、最後までおもしろく読めた。階級と出世が全ての世界(階級名がたくさん出てくるのだが、どっちが上なのか素人には分からない)。そして、国防という最も重要な任務に就きながら、何かと世の中からバッシングを浴びる対象となる自衛隊。24万人が多いか少ないか。アンノウン!!

2017/10/07

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

密室状態の自衛隊基地の一室で発見された盗聴器をめぐり、誰が何のためにそれを仕掛けたのかを、内部調査に当たった主人公らが明らかにしていくミステリー。正直、物語も謎解きも堅実に組み立てられているとはいえ盛り上がりに欠ける展開で、少々退屈ではあったが、一方で、今の日本での自衛隊という組織の置かれている位置や、そういう状況のもとで働く人たちの抱えているジレンマというものが織り込まれた内容は興味深く、いろいろと考えさせられるものがあった。主人公コンビによる続編も出ているようなので、機会があればそちらも読んでみたい。

2012/10/16

ゆう

★★★★★ 航空自衛隊が舞台のコージー(?)ミステリ。関係者以外は立ち入れないレーダー基地の、密室ともいえる隊長室にしかけられた盗聴器を調査すべく派遣されたエリート幹部・朝香二尉。その補佐に抜擢された元ヤン・野上三曹のコンビが、やたらコーヒーを飲みながら謎を解いていく。…自衛隊というと究極の体育会系のイメージだけど、独特の価値観や連帯感、その一方で人間らしい感情も描かれていて、とても楽しくて温かくて深いミステリだった。最近は反戦文学を書いている元自衛官の作家さんだけど、このキャラのミステリをもっと読みたい

2016/04/25

501

元航空自衛隊の著者の処女作。自衛隊レーダー基地を舞台に、高校中退の三曹とエリート調査官のタッグが隊長室に盗聴器を仕掛けた犯人を追うミステリ。三曹の一人称視点がユーモラスで所々くすりと笑わせてくれる。語り口が軽快ながらも、周辺住民との軋轢をはじめ、一般市民の持つ自衛隊の理解と自衛隊の存在意義の齟齬からくる隊員の葛藤など、自衛隊の特殊な立場ゆえに生じる問題がバックボーンにあるのが、読者にただストーリーを楽しむ以上のものを与えてくれる。自衛隊ものは初で、新鮮な気持ちで読め面白かった。

2015/09/19

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