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いっしん虎徹 (文春文庫 や 38-2)

いっしん虎徹 (文春文庫 や 38-2)

いっしん虎徹 (文春文庫 や 38-2)

作家
山本兼一
出版社
文藝春秋
発売日
2009-10-09
ISBN
9784167735029
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いっしん虎徹 (文春文庫 や 38-2) / 感想・レビュー

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サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

江戸初期の伝説の刀鍛冶・虎徹。鉄と共に歩み、己の信念を貫いたその半生。山本氏の「清磨」を読み同じ刀鍛冶の話があるのを知り、引き続いて読みました。いや、実に良かった。ただひたすらに名刀の凛冽な姿を想い、潤いのある地金を望み、たおやかな刀文を願う。その一事に自分の生涯のすべてを費やした男の物語。男は志に生き、矜持に死ぬ。それを地でいく人生だったと思います。そんな虎徹を脇から支える妻ゆきの姿もまたいじらしい。秀吉や信長のような戦国の英傑も良いですが、こうした人材に光を当てるのも上手いと思いました。★★★★★

2014/06/21

文庫フリーク@灯れ松明の火

『志に生き、矜持に死す』 新選組局長・近藤勇の愛刀として知られる虎徹。甲冑(かっちゅう)鍛冶から刀鍛冶を志し、出雲のたたら場(製鉄所)を訪れし時はすでに三十六歳。素材たる鉄へのこだわりから職人の眼で、人夫としてたたら場に臨む。砂鉄含みの土を堀り灼熱の溶鉱炉へ炭を運ぶ。前半およそ70ページを費やす江戸初期の製鉄・たたら場の描写だけでも一読の価値。 江戸で鍛えし自信の一刀。試刀家にして罪人斬首人・山野加右衛門との、文字通り首を賭けた勝負に敗れ、生まれ変った興里に授けられた法名〔一心日躰居士 入道虎徹〕 →続く

2011/02/12

バイクやろうpart2

『花鳥の夢』、『火天の城』に続く山本兼一さん3作目です。絵師、棟梁、そして刀鍛冶‼︎ と凄まじい職人の生き様を知り得たことに感謝です。山本兼一さんの小説を読み終えると、何時も活力を戴いている気がします。そして、下手が良い!何故か?いい響きです。磊落に笑う!使ったこと無いですが、いい言葉です。 では4冊目 楽しみです。

2017/07/13

佳乃

名刀、「虎徹」が出来るまで、なんと自惚れが強く傲慢だったことか。それが、ページを捲るたびに変わる彼に心から惹かれてしまった。また、妻のゆきがいたからこその彼だろう。曇りのない心で、一心に鉄を打ち自分の心が映し出される刀。観るもの持つ者の心を惹きつけてならない刀。邪心のないことはやっぱりいいなぁ。胸がいっぱいになってしまった。

2017/12/11

西君04

刀鍛冶の努力の生涯を描いた。虎徹の名の由来、そこまでの道のりは平坦ではなかった。兜鍛冶から刀鍛冶へ、兜で成功しているにもかかわらず、病気の妻ゆきと助け合いながら、新たな頂を目指す。山本兼一氏の作品はどれも歴史の主人公に隠れる職人たちをピックアップし、一人の人間の生き様を描き、見事に昇華させている。天才とは違うが、その才能を最高点までに引き上げる努力の人。一度刀鍛冶の現場を見たくなります。

2022/06/22

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