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ワンちゃん (文春文庫 や 48-1)

ワンちゃん (文春文庫 や 48-1)

ワンちゃん (文春文庫 や 48-1)

作家
楊逸
出版社
文藝春秋
発売日
2010-07-09
ISBN
9784167786014
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ワンちゃん (文春文庫 や 48-1) / 感想・レビュー

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しんごろ

中国から逃げるように日本に来た中国人女性、希望を持って日本に来た中国人女性の2編!タイトルはかわいいですが、内容はけっこう重めです。『ワンちゃん』…自分の気持ちに正直になれない、切ない気持ちを感じました。ワンちゃんにいつか幸あることを祈りたいですね。『老処女』…切ないというより哀しくなるね。こちらも、いつか幸あることを祈りたいですね。最後は、ただそばにいて、ひたすら愚痴でも聞いてあげたくなりましたね。2編とも重くて、リアルでしんどいですが、両ワンちゃんにエールを送りたくなりました。

2018/05/06

ユーカ

中国の女の人を描いている小説が好きです。この小説のように現代のものでも、歴史小説でも。友達の中国人の女性たちもそうだけど、とってもはたらきもので、読んでいると「自分もがんばらなくちゃ」と元気になります。ワンちゃんもとってもはたらきもので、とっても心が清らかな女性。彼女のしあわせはどこにあるんだろう? 彼女の眼差しはどこにしあわせを見ているんだろう? きっとワンちゃんも私を見たら同じことを考える。それを語り合った時に国境はなくなるんじゃないかな、そんなことを思った。

2016/06/15

ピン

然程多くないページ数がなかなか進まない。面白くない訳ではない、むしろ引き付けられる。しかし、それは負のエネルギー。作中の女性二人の、重苦しく救いが見えない展開が辛くて辛くて。 人は難儀な生き物だなぁ…。

2018/03/22

真琴

『ワンちゃん』『老処女』の2作品。両方とも、日本に来た中国人女性の話。『老処女』の主人公が1961年生まれなので今から10年くらい前の話でしょうか。『ワンちゃん』は、中国では洋服屋を営んだりデザイナーの仕事をするが稼ぎは元夫に持っていかれてしまう。一念発起し日本へ来て日本人男性と結婚し中国人女性と日本人男性のお見合い業を始める。『老処女』は日本で児童心理学の博士課程に身おくが上手くいかず中国語講師となる。どちらも実らない恋の話。もう少しうまく立ち回れないものかと。宗教や文化的なものもあるのかな ★★★★☆

2022/06/19

SHU

全体的になんだかとても物悲しかった。「わんちゃん」の主人公は仕事に一生懸命でとても頼もしいのだけど、私生活の所々に虚しさを感じる。「老処女」の主人公は自分の信念をしっかり持っていて、でもそれはその時代特有のちょっと古臭いものゆえ、周りから取り残されてしまう様子がとても虚しい。2人の中国人女性はとても一生懸命で好感が持てるはずなのに、どうもちょっと違くて、悲壮感のような雰囲気がこの作品に充満しているなと感じた。

2015/11/16

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