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ハリウッド映画で学べる現代思想 映画の構造分析 (文春文庫 う 19-10)

ハリウッド映画で学べる現代思想 映画の構造分析 (文春文庫 う 19-10)

ハリウッド映画で学べる現代思想 映画の構造分析 (文春文庫 う 19-10)

作家
内田樹
出版社
文藝春秋
発売日
2011-04-08
ISBN
9784167801250
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ハリウッド映画で学べる現代思想 映画の構造分析 (文春文庫 う 19-10) / 感想・レビュー

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harass

個人的にもう読まなくていいかと思う著者であるが、一応目を通したかったでようやく借りる。2001年ごろの講義を膨らませた長めの論と二つの短いエッセイの三本。ラカンの概念などの実例を映画から見るのだが、いまさらのフロイトの性的象徴を出されると、ハア、とため息がでてしまう。まあほかの部分はなるほどと感じるところもあり、売れる著者の語り口の巧さもわかる。知的好奇心をくすぐる暇つぶしの読み物として良いのではないかと。書かれているように、この種類の映画本はあまり無いのでその価値はあるのは確か。

2018/07/08

おさむ

一読すると難解ですが、エイリアンや裏窓、大脱走、北北西に進路をとれ、ゴーストバスターズ……などおなじみの映画が出てくると、俄然面白くなりました。漫然と眺めていた画面に、監督のこんな代理表象や心理学的なトリックが含まれていたとは、目からうろこでした。「アメリカの男はアメリカの女が嫌いである」など、知的好奇心をくすぐる表現が多く、内田さんの 「筆技」に今回も舌を巻きました。

2016/01/29

Gatsby

優れた読み手にかかると、小説は作者が意識した以上のことが解釈されるものだが、映画も同じことが言える。この本で素材にされる映画をすべてよく知っているわけではないが、「現代思想の術語を駆使した映画批評の本」ではなくて、「映画的知識を駆使した現代思想の入門書」であるという本書のコンセプトはよく理解できた。「知る」とは「物語る」ことであり、物語抜きの知は存在しない、という言葉をマーク。人間が思考するということは、「お話を一つ思いつく」ということ… またひとつ賢くなったような気にさせてくれる本であった。

2011/05/12

たかやん

映画について無性におしゃべりしたくなるときがある。先日『エイリアン』を再鑑賞したときもそう。[①アッシュ(アンドロイド)がリプリーを襲う奇妙な手段(丸めた雑誌を口に押し込む)、②脱出シャトルの不要な積荷]疑問だった二点そのまま、本書では映画の本筋とは関係ない"メタ・テクスト"として解説されるので大変有難い。他に大脱走や北北西に進路を取れ・ゴーストバスターズなども。3章のアメリカへの視座は著者ならでは。西部劇映画に登場する女性のほとんどが娼婦、それが何を意味するのか…好物だけにこれから見方が激変しそう。

2017/08/17

映画作品を、それがある一義的な意味に収束していくのを妨げるかのような「反-物語的」な「鈍い意味」をもつモチーフに注目して読み解く……と述べている箇所は面白い。けれど、具体的にフロイトの理論を使って『エイリアン』やら『大脱走』やらを分析している箇所は古臭くてかなわない。特になんでもかんでも性的なモチーフとして扱っちゃう批評はぶっちゃけキモイ(実際に『エイリアン』が性的なイメージで充溢した映画とは言え)。やはり物語のレベルでしか映画を語っていない批評は片手落ち感があると思った。

2018/09/15

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