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TOKYO YEAR ZERO (文春文庫 ヒ 6-1)

TOKYO YEAR ZERO (文春文庫 ヒ 6-1)

TOKYO YEAR ZERO (文春文庫 ヒ 6-1)

作家
デイヴィッド・ピース
David Peace
酒井武志
出版社
文藝春秋
発売日
2012-11-09
ISBN
9784167812133
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TOKYO YEAR ZERO (文春文庫 ヒ 6-1) / 感想・レビュー

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goro@80.7

独特な文体と云っていいのでしょうか、主人公のカオスや終戦直後のトウキョウを表しております。実際にあった連続強姦殺人事件を題材に誰も「外見通りの人間はいない…」と追う者も秘密めいている。遣り切れない閉塞感が満載でありました。ここから復興してきたなんて驚きでしかない。

2016/08/14

harass

終戦直後東京の小平事件を題材にした刑事小説。エルロイリスペクトの作家と思っていたがちょっと違うのかと。一気に読むべきであるが破格の文体に怯んでしまう。ゴシック体の繰り返される言葉がセンテンスの短い文章と入り交じる。絶えず聞こえる鼓動のようで異様な印象が異様な事件と背景に畳み掛けていく。漫画や映画を鑑賞するように頭で変換していくと少しは読みやすく感じた。しかしこの執拗さはなんだろうか。意外な秘密は当然の事実で話は終わる。

2015/06/19

Willie the Wildcat

”ゼロ”からの再出発と、齎された心身の痛みと疲労。騙し、騙され、日々の生活に追われる。不変の家族愛が、荒んだ心を開くまでの過程と時間が印象的。国と人の心の復興。無秩序の中に見出した光と心の静寂が、当時の世相を反映している気がする。一方、背負う過去と自己喪失。生き延びることが前提の相互補完とも言える。是非の問題ではなく、それが当時の現実。そこがあるから今日がある。故の「Year Zero」なんだろうなぁ。それにしても”心の叫び”が、良くも悪くも読み辛かった。(汗)

2015/11/04

シ也

日本戦後史上最初のシリアルキラーによる連続殺人・小平事件。それを背景に秘密を抱えた刑事が焦土と化した東京の街を這い回る。戦後の東京の空気がすごい濃いので、作者が海外の人だという事を忘れて読んでしまった。特にラストの真相が明かされていくスピーディーな展開と三波の心中が巧みにクロスしていく様は夢中で読んでしまった。エピローグでの「片山伍長」の存在や三波を「伍長」と呼ぶ者の存在にから三波の正体には察しが着いたがまさかラストにそうなってしまうとは。藪の中... という感じのラストなので続編も読みたい

2015/09/19

icchiy

終戦直後の日本が舞台。エルロイと馳星周とごちゃ混ぜにしたありったけのノワール感満載の文体。最初はとっつきにくいがだんだんリズムに慣れてくる。敗戦直後の混乱の中でGHQ、警察、ヤクザ、中国人、台湾人たちが蠢く。そのなかで連続殺人鬼が不気味に活動している。犯人を捕まえることができるのか?が焦点にはなっているもののもっと違う熱量に引き込まれて息苦しいまでの小説世界に浸れる。ディビットピース恐るべし。

2021/05/05

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