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岸辺の旅 (文春文庫)

岸辺の旅 (文春文庫)

岸辺の旅 (文春文庫)

作家
湯本香樹実
出版社
文藝春秋
発売日
2012-08-03
ISBN
9784167838119
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あらすじ

あまりにも美しく、哀しくつよい傑作長篇小説

なにものも分かつことのできない愛がある。時も、死さえも――ミリオンセラー『夏の庭』、名作絵本『くまとやまねこ』の著者が描く珠玉の物語

岸辺の旅 (文春文庫) / 感想・レビュー

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SJW

「岸辺の旅」は川岸や海岸を辿る旅かと思ったが、実際に川岸や海岸を辿っているものの、本来の意味は此岸と彼岸の意味だった。3年前に失踪した夫が現れ、川岸や海岸を辿る流浪の旅が始まる。旅の途中で明らかになる夫の過去、知らなかった人柄が徐々に明らかになり、失踪していた3年を遡り失った魂を再生していく。しっかりと別れの挨拶ができなかった未練が強く成仏できなかったのだろうが、何も知らされずに連れ回される夫の妻、瑞希が可哀想過ぎる。一つの救いは夫婦生活での薄かった繋がりを取り戻せて、見送ることができたこと。生と死の間の

2018/02/27

おしゃべりメガネ

デビュー作『夏の庭』を読了して以来、約6年ぶりの湯本さん作品です。映像化を控え、脳内では完全に浅野さん&深津さんで再生されました。ページ数の割に深く、重たい内容で明確なインパクトはありませんが、ボンヤリとした雰囲気がずっと最後まで継続され、そのボンヤリ感が本作の醍醐味なんだと。あまり他の作品では体験できない「生と死」のギリギリの境界線ワールドみたいなものを味わえました。3年前、謎の失踪から突如戻ってきた夫「優介」と、帰りを信じてひたすら待ち続けた妻「瑞希」との何とも言えない愛の姿がとても印象的でした。

2015/09/30

KAZOO

読んでいてどっか既視感のようなものを感じていたら映画化された作品の原作であったということが途中でわかりました。「ポプラの秋」もそうでしたが、結構印象に残る感じがします。この原作も死んでしまった旦那とのやり取りがなんか心にしみる感じがしました。

2017/05/01

ちなぽむ

しらたまをつくっていると失踪した夫が戻ってきた。からだは水の底で蟹に食べられたと言う。 死んだ夫が戻ってきた道をふたりで辿る旅は時間も季節も、場所もすべてとりとめがない。生と死は親和していてふつうに生活をしているひとのなかに死者が混じっていたりする。旅の景色は泣けるほど美しく、出会う人たちは優しくて悲しく、遠くない将来の旅の終わりを予感させる。大切な人とこんな風にお別れが言える世界はなんて素晴らしいんだろう。 夏の庭もそうだけど、湯本さんの死への視点はとても優しくて近しい。

2018/07/18

yoshida

夫が失踪して3年。とある夜に夫は妻のもとに現れる。既に死んでいると語る夫。夫婦は夫の死に至る日々を共に旅する。様々な人々との出会い。夫が失踪していた間に知り得た秘密への怒り。旅を進めながら、夫婦はお互いに赦しを与える。そして訪れる夫との別れ。彼等の岸辺の旅は、彼岸という岸辺を辿っていたことが分かる。実に不思議な空気感であるし、夫婦と言えども知り得ない一面があることが分かる。彼等の旅はお互いを赦しながら、浄化し再生に至る旅であったのだろう。静謐な時間と妻の弾くピアノが非常に印象に残る。貴重な読者時間だった。

2019/03/04

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