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テティスの逆鱗 (文春文庫 ゆ 8-4)

テティスの逆鱗 (文春文庫 ゆ 8-4)

テティスの逆鱗 (文春文庫 ゆ 8-4)

作家
唯川恵
出版社
文藝春秋
発売日
2014-02-07
ISBN
9784167900267
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整形にハマりこんだ4人の女たち――主婦が出産前の身体に戻るため“膣縮小術”を…!?

『テティスの逆鱗』(文藝春秋)

 女としての自信が金で買えるというなら、いくら金を出してもいい。年を取ってもいつまでも女でいたいし、美を誇っていたい。誰かに愛されたいし、認められたい。そんな思いが女を整形へと導くのだろうか。プチ整形で満足できれば良い。だが、身体をいくら変えても心が満たされない時、一体どうしたら良いのだろうか。

 唯川恵氏著『テティスの逆鱗』(文藝春秋)は、整形にのめり込んでいく4人の女を描き出した美と恐怖の異色作。読めば読むほど、見てはいけない世界をのぞいているような気持ちになる。だが、そんな世界をのぞかずにはいられない。尽きることのない女たちの欲望。美容整形は天国なのか。地獄なのか。整形にハマっていく女たちの姿が恐ろしくてたまらなくなる。

 舞台は、とある美容整形外科クリニック。腕が立つと評判の美容整形外科医・晶世のもとには毎日多くの患者が訪れる。「美」だけを取り柄に芸能界を渡り歩くアラフォー女優・條子。出産前の身体に戻り、浮気相手との逢瀬を楽しみたい36歳主婦・多岐江。かつて自分の容姿をバカにしてきた人たちへの逆襲として、完璧…

2018/9/24

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テティスの逆鱗 (文春文庫 ゆ 8-4) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

相田うえお

★★★☆☆18108 美容整形モチーフということで百田尚樹さんの『モンスター』と無意識に重ねてしまいました。モンスターも凄かったけど本作品も強烈!なんてったってモンスターが次々と出現するので落ち着いて読んでられないんです「え"〜っ!ひー!う"お"ぉー!」の連続ですよ。整形は手立てのひとつの選択肢だと思うので、当方は否定もしなければ肯定もしないし中立意見でもない、極普通の事で当たり前イメージ。本人が満足して周りが不快じゃなければいいんじゃない?って感じ。ま、本作の方々みたいに 度を超さなければですが。。

2018/12/09

アッシュ姉

美に取り憑かれた四人の女性。若さと美しさを追い求め、競うように美容整形を繰り返す。綺麗になれば何でも叶うと思い込んでいるが、満たされるのは一瞬ですぐに枯渇し、女たちの欲求は止まる所を知らない。もっと綺麗になりたい、美しさを維持しなければならないという強迫観念と欲望への執着が凄まじく、常軌を逸したオーダーに無理難題を吹っかけて、医師の忠告はまるで耳に入らない。危険な整形依存に陥った女たちの振る舞いはまさしくホラー。ラストは思わず二度読み。とてつもなく恐ろしく、とても面白かった。

2018/03/19

mmts(マミタス)

テーマは美容整形。整形手術に取り憑かれた女性たちとそんなワガママを受け入れる医師。美容整形をする女性たちが悪いのか。いや、美容整形を施している医師が悪いのか。むしろ、誰も悪くないのか。答えが分からない。美容外科クリニックの多田村晶世のところには際限のない女性たちがあらわれた。女優の西嶋條子、編集者の吉岡多岐江、キャバクラ嬢の沢下莉子、お嬢さまの畑中涼香だった。彼女たちは正気の沙汰ではない整形依存症だった。常に醜形恐怖症に悩まされていた。個人的には唯川恵さんの中では一番に面白い。テティスにはかなわないな。

2017/12/30

yuyu

これはまさにホラーだ。背筋が凍るような読後感。女は怖い。美容整形に翻弄される女達。ある程度大袈裟に表現されているとはいえ、現実も近いものがあるのだろう。「美」を追求するということは、「美」に縛られてしまうことなのか。作られた美しさはどこか物悲しい。でも、その美しさに縋り付いてしまう気持ちもわからないではないけど…うーん、やっぱり、怖くて、虚しい。

2018/12/26

優希

美容整形に依存する4人の女性の物語です。限りなく美を追求していく姿が逆に醜く見えておぞましさすら感じました。美を極めようと思い詰めるとここまで堕ちていくのかと鳥肌が立ちます。美への執着が周囲を見えなくさせ、自己中心的になるのはまるでモンスターのようでした。欲深さから道を踏み外して壊れていくのが整形を突き詰める怖さなのでしょう。整形の陰の部分を鮮烈に描いたのが恐ろしかったです。

2014/10/30

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