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泥ぞつもりて (文春文庫 み 48-1)

泥ぞつもりて (文春文庫 み 48-1)

泥ぞつもりて (文春文庫 み 48-1)

作家
宮木あや子
出版社
文藝春秋
発売日
2014-04-10
ISBN
9784167900724
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泥ぞつもりて (文春文庫 み 48-1) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

湖底に積もり、その存在を誰も気にもしない『泥』を『こひ(恋)』と読ませたタイトル作を含む3編。時は平安、時の帝(みかど)達と後宮の女達の、時に孤独で切ない恋と権力抗争の話。千年の時を越え平安の宮中に思いを馳せる、そんな読み心地を期待しました。少し読みにくかったかな。人物呼称が複数ありすぎて混乱。尊き人があるべき姿として求められる像は常に苦痛を伴うのでしょう。世継ぎを残すための後宮への関わりさえも。女達の純情が深々と積もり切ない。今夜の月はとても綺麗。まっすぐに照らし癒してくれる。千年前と同じ姿で‼️🙇

2019/11/16

いつでも母さん

内裏の話は苦手なのだが、宮木さんだから・・望む者(物)望んでも得られぬ者(物)望まないのに得てしまう者(物)さて、誰が一番幸せでしょう?望む者ですか?そうとも言い切れないのが宮木さんの巧いところで・・そして、いつの世も下々の暮らしは苦しいんだという・・。面白くはあったけれど私はカタカナだけが苦手じゃなく、古典も苦手だと再認識した次第。文庫だけれど時間を要しました・・(汗)

2017/01/15

じいじ

宮木あや子の小説は『白蝶花』『花宵道中』が素晴らしく、その後何冊か読みましたが、今ひとつしっくりきませんでした。今作は良いです。前記の二作に匹敵する傑作作品に出合いました。表題作を含む三編の連作ですが、一編ごとに完結する中身の濃い仕上がりの物語はさすが宮木さんです。ひたすら主上(天皇)の訪れを待つ、内裏に暮らす女たちの恋情が切なく愛おしくてなりません。寝所における逢瀬の描写は、色香の中に気品を感じます。この平安王朝の壮大な恋絵巻は、読み重ねるごとに新しい発見がある素敵な作品だと思います。

2018/07/31

なゆ

何度もくじけそうになりましたが、読了!苦手なんですわ、この時代。でも読みおわってみると読んで良かった!!!な興奮が。平安王朝の、清和・陽成・宇多天皇と移り変わる40年ほどの間の、帝と後宮の女人たちとの物語。複雑怪奇ながらも、流れを追って読むとなんとも切なく哀しい心があちらにもこちらにも。世継ぎのため権力の為にとはいえ。。。数奇な人生を歩んだ高子と喧子のラストがなんともいえない。『東風吹かば』は菅原道真の話が読めて、飛梅のことがよくわかった。大宰府天満宮には何度もお世話になったので、ちゃんと知らなくてはね。

2017/08/28

優希

平安時代の天皇と彼らをとりまく女性たちの物語でした。後宮の女性たちはただひたすら待つ身というのが切なかったです。天皇たちもそれぞれ屈託を抱えているという哀愁が漂っていました。女性たちが男性を待つというのが当時の恋愛なので、劇的なことはないのですが、どこまでも狂おしい恋慕が感じられてなりません。体を突き刺す痛みが走るので、読んでいて苦しかったけれど、身を滅ぼすような激しい恋情はいつの世でも変わらないのかもしれません。

2015/07/03

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