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新装版 ホワイト・ジャズ (文春文庫) (文春文庫 エ 4-15)

新装版 ホワイト・ジャズ (文春文庫) (文春文庫 エ 4-15)

新装版 ホワイト・ジャズ (文春文庫) (文春文庫 エ 4-15)

作家
ジェイムズ・エルロイ
James Ellroy
佐々田 雅子
出版社
文藝春秋
発売日
2014-06-10
ISBN
9784167901325
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新装版 ホワイト・ジャズ (文春文庫) (文春文庫 エ 4-15) / 感想・レビュー

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ゆいまある

馳星周”不夜城”が好きすぎて、文体がエルロイに似てる、ホワイト・ジャズに似てると聞きつけ、読み始めたLA4部作。全部読んだ。長かった。前3作と比較にならないぐらいぶっとんで恰好いい文体。余計なものは全部削ぎ落とし、まるで自分自身が経験しているような臨場感。そしてエルロイ得意の複雑な構成も隙が無い。その主観的な文体のせいで、何が起きてるのか何度も分からなくなる。根性で読み進める内にぎょっとする成り行きが見えてくるのだが、そこまで読み切るのが大変。全部が狂ってる。読んで後悔はしない大作だけど覚悟がいる。

2021/12/24

扉のこちら側

2016年812冊め。シリーズ前作からの文体の変化に戸惑う。解説の馳氏によるとそれがキモらしいが、私は最後までハマりきらず。ただ文体は置いておいて、プロットはよかったと思う。シリーズで読んだ場合の裏エピソードが、実によく練られていると思った。エルロイマニアの読友からは「LA4部作ではあるが、3部作+『ブラック・ダリア』と考えて別に読むように」と言われたのでBDはまたそのうちに。どうやら文春編集者もエルロイ初心者にはこの流れを推奨しているらしい。

2016/10/08

k5

噂には聞いていましたが、すごい読みづらさ。確実に再読が必要だし、ノートでも取りながらでないと事実関係が整理できないと思います。ただ去年読んで何の記憶も残っていない『LAコンフィデンシャル』に比べれば、面白さの匂いくらいは感じられた気も。馳星周の解説がいいですが、「五回読んだ」と言っているので、それくらいの姿勢で取り組むべきかも。

2020/08/20

つねじろう

圧倒的悪の奔流。その流れの激しさに客観的に眺めている余裕なんかなく思わず主人公にしがみつき一緒にぐるぐる回って落ちる。エルロイらしい容赦ない暴力と歪なセックスに歪んだ情念。相変わらず登場人物は多いが誰一人として善人はいない。その徹底ぶりに眩暈さえ覚える。深作欣二、北野武もビックリ。そんな暗黒時代のLAを描く四部作の完結編。その欲望と腐敗の渦の中心でギリギリの生き残りを賭けた攻防は目が離せない。狂気への疾走、ヒリヒリする焦燥感を暴力的なボリュームで咆哮するフリージャズのような文体で追い込む。一発KOでした。

2014/06/28

ヘラジカ

<暗黒のLA四部作>最終章、堂々たる完結。紛れもなく犯罪文学の頂点であり、文学全体として見ても類まれなる大作にして傑作である。四部作の中では勿論最高の出来だが、その複雑さ難解さのレベルも最も高い。これまでも一筋縄ではいかなかったエルロイだが、この作品は際立って難読だ。破壊された文体、機関銃の如く飛び出す情報の数々、錯綜する筋書、等々…言うなればピンチョンに比する程の巨大さ。漸層的にその迫力を増していく四部作の最期は正に圧巻だった。

2015/08/27

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