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悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

作家
ピエール・ルメートル
橘明美
出版社
文藝春秋
発売日
2015-10-09
ISBN
9784167904807
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悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

原題は"Travail Soigné"。「きちんとした仕事」といったくらいの意味か。ルメートルのデビュー作だが、私も多くの読者と同じく、何も知らないで『アレックス』を先に読んでしまい、実は先行する作品があることを作中で知った次第。残念なようにも思うが、その反面、カミーユをはじめとした捜査チームを知っていたが故に、本書には最初から親近感を持って読めてよかったとも思う。そして、あの結末にはどんな風に迫って行くのかという、一種倒錯的な楽しみも得られた。過去に書かれたミステリーと、今まさに書かれつつあるそれ。⇒

2016/08/30

W-G

アレックスでネタバレ喰らっていたが、記憶が薄れそうになかったので、あきらめて読んだ。結果としては…ネタバレありきで読んだことが幸いしたような。最初にコレから読み始めていたら、色々と消化不良だったかもしれない。中盤の濃密さに比べ、結末は尻切れトンボ感もあり、犯人もわかりやすく、そういう諸々が、二作目から遡って読むことで、ホラー映画で、来るとわかってて来た時のような、違うハラハラ感に変化する。個人的にはアレックスより好き。引き続き『傷だらけのカミーユ』に進むと、登場人物欄でまたこの作品のネタバレをしている…。

2019/03/19

starbro

ピエール・ルメートル3作目です。一気読みで、面白かったのですが、3作目となると新鮮味が少なくなってきます。また今年のミステリ賞で上位に来ていますが、そこまでの出来かなぁって気もします。タイトルですが、「悲しみのイレーヌ」ではなく「悲しみのカミーユ」が正確ではないでしょうか?次回最新作の「天国でまた会おう」を読む予定ですが、一先ず4作品でピエール・ルメートルの評価をしたいと思います。

2015/12/08

遥かなる想い

2016年このミス海外第2位。 女性たちの凄惨な残虐事件を背景に カミーユ警部と妻イレーヌ そして仲間たちの 人間模様を描く。作品の中で頻繁に出てくる 「ブラックダリア」..そして作品を模倣 しながら殺害を繰り返す犯人..狂った世界に 生きる人々とイレーヌとの世界..この対比が 妙に暗示的で..この二人の世界がクロスした時.. 最後は怒涛の哀しい終焉だった。

2016/03/13

のっち♬

露骨で猟奇的、究極に残虐な連続殺人。死者、本、行方不明者を追い、マスコミ、予審判事、検事局、大臣と戦う個性豊かな刑事たち。「手がかりがないことが手がかりだ」事件に人生を乗っ取られまいと、不合理要素と未知数が多い中、芸術への執拗な拘りを持つ犯人像へ迫っていく過程は、焦ったくも徐々にスピード感を増してクライマックスを迎える。「人類の悲劇はお前の目の前にあるんだからな」全編に横溢する病的なまでの迫力、恐怖感、不安感、生理感覚を直接刺激する負の求心力、その筆致の正体とは?最後まで読み手を惹きつける構成に唸る。

2020/01/28

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